10月25日に阿佐ヶ谷ロフトAで「破滅ナイト!vol.1 牧野楠葉『フェイク広告の巨匠』出版記念!」が開催されたことは、記憶に新しいだろう。覚えてないとは言わせない。25日、阿佐ヶ谷ロフトAでどんな破滅っぷりが繰り広げられたのか?今回はその様子を、ちょっとだけご紹介しよう。

牧野楠葉の新著『フェイク広告の巨匠』の出版を記念し、また近年牧野楠葉や佐川恭一、斧田小夜など続々とデビューが相次いでいる破滅派とはどのような集団かを紹介するため、阿佐ヶ谷ロフトAでイベントを度々開催している髙井ホアンのプロデュースによりイベントが計画された。オンラインでの打ち合わせやリハーサルを経て、10月25日、開催当日を迎えた。会場の客に加え、配信での観覧者も盛況となり、破滅派メンバーの意気は上がっている。

髙井ホアンが一足先に楽屋に到着し、ロフト側の責任者である山崎尚哉氏と準備を行った(1:9ぐらいの割合で)。そして牧野を始めメンバーが続々と集結した。牧野はこの日誕生日の前日ということもあり、ファンから祝いのウィスキーが阿佐ヶ谷ロフトAに届けられていた。

 

前半 牧野楠葉の来歴

当日の出演者は、現地に、本日の主役牧野楠葉、破滅派の主宰である高橋文樹、編集で司会を務める髙井ホアン、そして松尾模糊、藤城孝輔が並ぶ。オンライン出演者は、諏訪靖彦、諏訪真、波野發作、大猫が参加した。

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18時を迎え、いよいよイベントは始まった。まず挨拶、自己紹介に始まり、牧野楠葉の出版記念を祝い乾杯が行われた。破滅派の簡単な紹介の後、牧野楠葉の紹介スライドに移った。牧野自らがスライドを説明していく。広告屋らしく、細部まで手の込んだスライドであった。牧野楠葉の来歴に始まり、現場監督を二日でバックレた経験、ヒモを飼っていた時の話、広告業界に興味を持ったきっかけなど、牧野楠葉が小説家に至るまでの経歴が次々と明らかとなった。乙女ゲームのシナリオライターも経験しており、「カラオケルームで主人公がイケメンに犯されている時のBGM」まで考えて設定を行っていた(どんな曲かは見てのお楽しみ)。そして、NovelJamの会場で高橋文樹と接点を持ったことにより、牧野楠葉と破滅派は繋がった。NovelJamに関しては、波野發作がオンラインから補足説明を行った。しかし「問題」はむしろその後である。

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「NovelJamはBFCの下位互換」などの爆弾発言もありつつ、牧野楠葉の最新作『フェイク広告の巨匠』の出版に至る流れも紹介される。牧野の広告屋としての本領がまさに発揮された。出版元の幻冬舎の編集者と連携してマーケティングを練り上げ、広告を設定し、多くの集客を見込む。その広告のリンクに髙井ホアンのPCでアクセスした所、なぜか詐欺サイト呼ばわりするセキュリティ警告が出た。まさに「フェイク」づくしである。本来見せたかった画像なども紹介しつつ、牧野の酒もどんどん進み、いよいよ前半の佳境に入った。今後の牧野はどのような活躍をしていくのだろうか?早くも固まってきたという次回作の構想は?そこで明かされた衝撃かつ抱腹絶倒の事実については、是非現在も公開中であるアーカイブを購入してご覧頂きたい。ヒントは「人生はムーニーマンに始まりアテントに終わる」である。

 

後半 高橋文樹の計画と破滅派

休憩を挟み、後半に移った。後半では、破滅派とはどのような団体であるか、その来歴についての紹介が高橋文樹によって行われた。新潮新人賞の受賞と、その作品『アウレリャーノがやってくる』が慣例に反し出版されないという逆境を乗り越え、作り上げた「破滅派」の成長の物語は、改めて破滅は同人を圧倒した。特に2015年以降、新たな破滅派同人の参入とデビューにより、破滅派にも新たな動きが生じている。そしてまた、高橋文樹自身も、新たな計画を抱いていた。

高橋文樹の作家デビュー20周年記念事業「プロジェクト・アウレリャーノ」の経過も紹介され、いよいよ出版が近づいていることが明かされた。しかし書店への取次などに課題があり、まずは文学フリマ東京での販売を行うこととなった。そしてまた、破滅派の創世に欠かせない因縁の男であった山谷感人を「追悼」する紙の破滅派も、同じく文学フリマ東京で販売される。是非、11月23日は文学フリマ東京にお越し頂き、破滅派の今に出会っていただこう。

その後、破滅派同人が感想や今後の抱負を述べ、今後の更なる活躍を期待しあった。そして、牧野楠葉のサイン会に移った。多くの人々が牧野に群がり、新著を買い、サインをねだっていく。破滅派のバックナンバーも物販に並び、多くの人の関心を引いた。そしてイベントは盛況のうちに無事の終了となった。

その後、楽屋に戻った我々は、出演記念として、壁にサインを行った。

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髙井ホアンは出演のたびにサインをしているため、彼のサインだけで楽屋で「ウォーリーを探せ」をすることができる。

 

イベントを終えて

多くの人が来場し、牧野楠葉と破滅派の存在を世に知らしめることができた。そして、イベント名に「Vol.1」とあるように、今後も二回目、三回目と展開していく予定である。恐らく次回は高橋文樹の『アウレリャーノがやってくる』に関するイベントになると予想される。考えてみれば、文フリなどへの参加や内輪の編集会議・合評会、記念パーティなどは別にしても、外部向けのイベントを開催したのは今回が初めてだった。是非今後とも、イベントに触手を伸ばし、破滅派に関して世に広めていきたい。

そして、是非とも牧野楠葉を新著を読んで頂きたいとともに、興味を持っていただけたなら、新たなうねりを生み出しつつある破滅派にも参加してほしい。