第3回阿波しらさぎ文学賞の受賞作が17日発表され、蕪木Q平「あまいがきらい!」が大賞を受賞した。

「第3回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」は、徳島新聞社と徳島文学協会が主催する文学賞であり、最終選考委員を芥川賞作家の吉村萬壱や小山田浩子らが勤めることなどでも話題となっていた。また、第2回の大賞は、破滅派同人の佐川恭一が受賞している。応募作品の条件としては未発表の小説で、徳島の文化・地名・歴史等を盛り込むことが条件となっている。今回は全国41都道府県から465件の応募があり、一次選考では28作が通過していた。

選考結果は8月17日に徳島新聞紙上で発表され、大賞は蕪木Q平の「あまいがきらい!」に送られた。また、徳島県内在住者と徳島出身者を対象にした徳島新聞賞はなかむらあゆみの「檻」が受賞した。25歳以下が対象となっている徳島文学協会賞は三浦みなみの「去年の桜」となった。

今回、大賞を受賞した「あまいがきらい!」は、新型コロナウイルスの流行と言う時勢を反映し、臨時休校中の小学5年生女児を主人公に、等身大の活発な日々を描いた小説となっている。大賞を受賞した蕪木Q平は神奈川県在住の31歳男性で、以前からインターネット上で作品を発表してきた。学童保育の児童支援員をしていたこともあり、この経験が作品に役立ったという。筆名は、バイクのスーパーカブに乗ることが趣味である事に由来している。

なお、第3回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞の表彰式は、9月12日午後2時から徳島市の新聞放送会館で開催される。受賞者それぞれの今後の活躍に期待したい。