Facebookによれば「ビルティング8」という研究チームが革新的な通信プラットフォームを実現するために2つのプロジェクトに取り組むという。一つは外科手術を伴わない形で脳から情報をアウトプットする技術。もう1つは肌から音声を取り込む技術だ。双方とも既存のインターフェース(キーボードへのタイピング、耳による音声の受信)を利用しない、「サイレントな」技術である。

脳シグナルによるタイピングでは、1分あたり100語入力できるようになることを目指しており、これはスマートフォンへの入力の5倍にあたる。もちろん、頭の思考がダダ漏れになってしまったら漫画『サトラレ』と同じ状況になってしまうので、外部にシェアすべき内容をフィルタリングする機能もあわせて開発する必要がある。

米国ではベル研究所やパロアルト研究所などの民間の研究機関が大きな功績を残してきた事例が多い。おそらくFacebookのビルディング8はそれを参考にしており、上記に掲げたプロジェクトも来年や再来年にできる類のものではなく、10年先を見据えた開発になるだろう。最終的に出来上がるものが現時点の構想とイコールになる可能性は低いが、脳=コンピュータ・インターフェースの研究が徐々に先鋭化している時代だということを、文章の書き手は意識しておいた方がよいかもしれない。