現在世間を賑わせている人工知能(AI)には複数のサービスがあるが、複数の企業が競うように取り組む製品のジャンルに「ホームアシスタント」がある。これはリビングなどに置いておき、話しかけると何か色々とやってくれるというものだ。スマートフォンをご利用の方であれば、iPhoneのSiriや「オッケー Google」などでご存知のことと思うが、対話型人工知能アシスタントである。

米国で11月から発売と噂されるGoogle Home

米国で11月から発売と噂されるGoogle Home

GoogleはGoogle Homeというホームアシスタントを米国で販売予定だが、CNETの伝えるところによれば、すでにピクサーやThe Onion(アメリカの風刺新聞)から何名かのライターを雇っているという。目的はGoogle Homeの会話をより自然にするためだ。Googleの求人でも望ましい能力として「演劇での会話、フィクション、コメディ、エンターテイメントの執筆経験」を挙げている。

Tech Crunchは「リベラルアーツを専攻した人にとって、これよりいい仕事ある?」と結んでいるが、たしかに言語行為を機械が行うようになると、人間にできる仕事といったら、人工知能のトレーニングぐらいしか残っていない。そして、十分に機械が発達したら、はいさようならというわけだ。

こうした人工知能は、いずれ小説を書くようになるだろう。しかし、一作家として、筆者は「十分なコミュニケーションや娯楽が機械によって幾らでも作られる世界で人はなお小説を読むだろか」という危機感を強く持つ。皆さんは人工知能が当たり前に普及した世の中でどんな読書が可能だと思うだろうか。