見上げると私たちはただ、まるで生き物のように動いているひかりで
むず痒い絶頂を繰り返す真っ青な道徳に脅えているひかりそのものであれ
ほらテクスチャの剥がれた外観からはみ出す。これら頑なな痕跡が
優雅な黒蝶の一種なのです。と、いつからかわからないけれどもね
人間的自由と、帳消し、持ち時間は/死に向かって歩き続ける。――今夜は素泊まりだ
目につくように。カメラを持って、ぐるりと思考ばかりを徘徊させた、ところで
後ろを振り返ることもなくあるき続けるしかないのだとまた悟った
酩酊の彼は誰時のやまやまを績む 草原と駈る紅蓮群青へ
ぐんじょうのひかり
みだり眩しいから目頭が熱くなる
「メルヘンは貧相だから直ぐしぼんでしまうんだねえ」
透る上澄みはしぶく毬のような、消えない多色、記憶の一粒一粒
定かでなく、最中でもない
いたずらするらくがきだ
そして、まほうならば、宵に満ち足りる
ひらきに見た 遠景の奇説は、ただではしれない
よるにむかって歩いている
千里眼でも手品でもないから、ただそれじゃ、かげもかたちも