夕闇通り七番街、店名は「深淵」でス。 七曲カドニウム(著)

夕闇通り七番街のシャッター閉まった細い路地裏、4649歳のマスターのお店。
店名は「深淵」でス。

【※】小雨降る夜にだけ開店致しまス。
【※】不定期でシの朗読会が行われていまス。

――――憂いを帯びた者も、そうでない者も、ようこそ深淵へ。

  1. 連載中 (最終更新: 2019 年 12 月 2 日 )
  2. 7 作品収録
  3. 2,130文字(400字詰原稿用紙6枚)

Authors & Editors 執筆者一覧

七曲カドニウム

七曲カドニウム 著者

カドミウムでは無くカドニウムが正解です。
詩から派生した物語を軸に、掌編~中編作品を書いています。

Works 収録作一覧

  1. 七曲カドニウム

    1. 夕闇通り七番街、店名は「深淵」でス。

    • 327文字
    • 2019 年 11 月 12 日公開

    夕闇通り七番街のシャッター閉まった細い路地裏、4649歳のマスターのお店。
    店名は「深淵」でス。

    【※】小雨降る夜にだけ開店致しまス。
    【※】不定期でシの朗読会が行われていまス。

    ――――憂いを帯びた者も、そうでない者も、ようこそ深淵へ。

  2. 七曲カドニウム

    2. 001 トーチカ

    • 360文字
    • 2019 年 11 月 14 日公開

        最初に煉瓦を一片、 足元に置いたことから始まる 赤茶けた隙間にコンクリートを溶いては重ね続けた 微動だにせず、揺らしもしないで埋め、 背丈を追い越して   僕はそれを要塞《トーチカ》 […]

  3. 七曲カドニウム

    3. 002 空豆の空

    • 307文字
    • 2019 年 11 月 22 日公開

      空豆と云う響きは悲しい   雨が降る午後に空豆の皮を剥いた   四角い箱からは当たり障りの無い 組み合わせの羅列が流れ 通過しては留まりもせず 消え行く 滞る方法が見つからないのだろう […]

  4. 七曲カドニウム

    4. 003 目分量

    • 220文字
    • 2019 年 12 月 1 日公開

        それは場末のサアカス団を観終えた後 揺れなくなった空中ブランコの下で からっぽのライオンは眠ってゐる 散り散りの紙吹雪こてんぱんの檻 出刃包丁の柄は煌々とぬめってゐる ぽっけから解けだしたチヨ […]

  5. 七曲カドニウム

    5. 004 不眠魚

    • 231文字
    • 2019 年 12 月 1 日公開

        深夜、落涙の海に 背鰭に輝く綺麗な名前の名札を 月光に反射させて 水面下は二重の曲線が交錯して螺旋   ぽちゃ り と尾、迂回した旋回   見分けがつくように 顔は見せない […]

  6. 七曲カドニウム

    6. 005 サンタクローズが去った朝に

    • 357文字
    • 2019 年 12 月 2 日公開

        髭面の聖者が街から去った日 煤すすとリボンの切れ端が転々と 街灯の光線が朝焼けに同化する頃に 僕は歩道橋の上から赤色の点滅信号をいつもの様に眺めていた   世界はまだストップモーショ […]

  7. 七曲カドニウム

    7. 006 春の嵐

    • 328文字
    • 2019 年 12 月 2 日公開

        きもちわるい 猫の唄   闇に光るピカピカおめめ   充血し柔い肉球に私の中のをんながざわわと動き出すから どうか耳栓を下さい どうか 耳障りな本能の唄が聞こえてきませんよ […]

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