シュトラーパゼムの穏やかな午後 佐川恭一(著)

セフレの妊娠に怯える俺。怪しげな教団に属するポジティブ上司・ユー・キャン・ドゥ・イット本部長。美人巨乳市民に襲いかかるホロコースト課職員・池上シェフチェンコ篤史。有名女性作家とねんごろになるためだけに小説を書き続けるザンジヴァル島本……アホどもの織りなす破滅ワールドを目撃せよ。CRUNCHNOVELS新人賞特別表彰作品。

¥ 399

  1. 完結済み ( 2015 年 7 月 13 日 〜 2015 年 7 月 13 日 )
  2. 5 作品収録
  3. 41,520文字(400字詰原稿用紙104枚)

Authors & Editors 執筆者一覧

佐川恭一

佐川恭一 著者

京都大学文学部卒。2011年『終わりなき不在』で日本文学館出版大賞受賞。2014年『わが逃走』でマイナビeBooksコンテスト入賞、『シュトラーパゼムの穏やかな午後』でクランチノベルズ新人賞奨励賞受賞。2017年『無能男』でもんもん文学賞受賞。同年発売の『サークルクラッシャー麻紀』がロングセラーを記録。2018年より小説すばる(集英社)でコラム『愛すべきアホどもの肖像』連載。

How people say みんなの反応


  1. 読む方は、ぜひ、作中に出てくる名前・呼称の面白さを1つ1つ味わって欲しい。言葉の選び方の背後に莫大な蓄積があることがわかるし、「単に思いつくままに書いたのではない、磨きあげられた文章」とはこういうものか、と感じるはず。また、前半で主人公が裏切った池上シェフチェンコに、クライマックスで逆襲される綺麗な対称構造ができている。

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  2. 佐川さんの小説で一番好きな作品が、これ。クランチにある全作品の中で一番好き。
    読み返してみて、勅使河原鬱彦と邂逅するとこがホントに快感だった。もちろんそれ以外も面白い。常時面白い。それが本当に凄い。

    「小説のお約束」をいくつも破ってて、お約束ってのは面白保障制度だから、お約束を守らないと面白さが減るし万人向けではなくなっちゃうけど、でも新しいかたちの面白さがあって、それがすっごく新鮮。お約束を10割ふまえることもできるのに、あえて1割を削ってる、そんな感じ。9割ふまえているから、ちゃんと面白い。真似しようとしたけど、真似できなかった。

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  3. 私などが評するのは恐縮な話だが、この小説にはガチでクズい人間の在り様が描かれている。だがパンクロッカーは例外なくガチクズなので、それでいいのだ。これは間違いなくヘロインをやりながら執筆されたに違いない。このように地の分で押していく小説には、一文一文の読みやすさと、言葉のつらなりによる高いストーリー性がなければ読むのがとたんに難しくなるものですが、あなたの目で確かめてください。この小説は、読ませる。

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  4. あーもうこれすごい。やばい。完全にノックアウトされました。僕みたいな凡人には悪いところなんてひとつも見当たらないです。圧倒的におもしろいです。こんなの絶対書けません。実のある批評的なことを書けなくてすいませんがこれだけおもしろかったら細かいことはどうでもいいんじゃないでしょうか。中長編の方が得意なのかな?さがきょんはもうガチプロでいいでしょう。すごすぎてやる気がなくなったので少し読書します。ぽへ。

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  5. 素晴らしいですね!笑 今まで読んだ佐川さんの作品のなかで一番好きです。加えてこれだけの傑作にも関わらずこの作品を新人賞に送らなかった作者の慧眼にも感服しました。もし送ってうっかり最終候補にでも残ったら新人小説家としての著者は抹殺されていたでしょう。しかしそこから本当の佐川恭一が始まるのかもしれませんけどね。

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  6. やっぱりエログロ路線の佐川さん好きです。理解不能なストーリーの中に記号的な登場人物たちを一見無秩序に埋め込んでいるように見せ、ふざけているようで、それが分からない人を置いていってしまうような疾走感も独特だなあと思いました。センスがある人にしか書けない小説ですね。

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  7. 奇抜な名前といい、エログロといい、展開の軽さといい常に面白さを提供してくれた。なにもかもどうでもいい気持ちで終わるけれど、読者としては大変な充実感がある不思議。

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  8. 仮に、私にこの作品が(幸運にも)書けたとして、人前に公開する勇気はきっとないでしょう。ワタヤリサて……。人が書けない物を書くのも作家の本分のひとつだと思いますので、そういう意味では佐川さんはすでに大作家なのかもしれませんね。

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  9. 単純すぎる感想ですが、仏教思想にも通じる苦悩や祈りが織り込まれているよう感じられ、特に最後の一文に触れ全体の色がぱっと変わる鮮やかさに「読む幸せ」を感じました。個人的な好みですが、「俺」の理性と情動のコントラストが更に強調されているともっとパンチがあるのでは、と思いました。

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  10. 退屈せずに読めました。高橋源一郎的な不条理と暴力の噴出が、それでいて独自の世界を作っているので、今後に期待したいです。あえて不満をあげれば、主人公の情動がそこにいる人間のものとして入ってこないことです。結果、「はちゃめちゃな」世界をただ傍観しているだけの読書体験となってしまう。思考実験的な試みなら小説という手法はややそぐわない気がします。実力はあるように見受けられるので、別作品も読もうと思います。

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  11. 正直なところストーリー云々に関してはあまり分からなかったが、その初期高橋源一郎を思わせるようなポップでナンセンスな(そしてユーモラスな)文体は読むだけで快感だった。そういう文章を書けるって凄い。とっても面白かったです!

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