「第77回日本推理作家協会賞」が13日に発表され、〈長編および連作短編集部門〉を青崎有吾『地雷グリコ』(KADOKAWA)と荻堂顕『不夜島(ナイトランド)』(祥伝社)が受賞した。

 〈短編部門〉は坂崎かおる「ベルを鳴らして」(講談社「小説現代7月号」)と宮内悠介「ディオニソス計画」(東京創元社「紙魚の手帖vo14」)が受賞。〈評論・研究部門〉は川出正樹『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション戦後翻訳ミステリ叢書探訪』(東京創元社)と中相作編『江戸川乱歩年譜集成』(藍峯舎)が受賞した。

 2025年に新設を目指す〈翻訳部門〉の試行第2回受賞作にはジョセフ・ノックス著、池田真紀子訳『トゥルー・クライム・ストーリー』(新潮社)が選ばれた。賞金は各50万円。

 〈長編および連作短編集部門〉の最終候補には受賞作のほか、井上真偽『アリアドネの声』(幻冬舎)、伊吹亜門『焔と雪 京都探偵物語』(早川書房)、岩井圭也『楽園の犬』(角川春樹事務所)が挙がっていた。

 長編および連作短編集部門選考委員は、芦辺拓、宇佐美まこと、月村了衛、葉真中顕、喜国雅彦。短編部門、評論・研究部門選考委員は、今野敏、柴田哲孝、恒川光太郎、湊かなえ、柚月裕子が務めた。

 〈短編部門〉の最終候補には受賞作のほか、天祢涼「一七歳の目撃」(別冊文藝春秋3月号掲載)、太田愛「夏を刈る」(光文社『Jミステリー2023 FALL』収録)、織守きょうや「消えた花婿」(オール讀物7月号掲載)が挙がっていた。

 〈評論・研究部門〉の最終候補には受賞作のほか、麻田実『舞台上の殺人現場 「ミステリ×演劇」を見る』(鳥影社)、渡邊大輔『謎解きはどこにある 現代日本ミステリの思想』(南雲堂)が挙がっていた。

 〈試行第二回翻訳部門〉の最終候補は受賞作のほか、孫沁文・著、阿井幸作・訳『厳冬之棺』(早川書房)、S・A・コスビー・著、加賀山卓朗・訳『頬に哀しみを刻め』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、アン・クリーヴス・著、高山真由美・訳『哀惜』(早川書房)、ダニヤ・クカフカ・著、鈴木美朋・訳『死刑執行のノート』(集英社)が挙がっていた。

 試行第二回翻訳部門選考委員は阿津川辰海、斜線堂有紀、杉江松恋、三角和代、三橋曉の四人が務めた。