ビジュアル・スポーツ総合誌「Sports Graphic Number」(11月9日発売、文藝春秋)の阪神タイガースが優勝した2023年の日本シリーズを特集した1084号が発売前重版された。

 岡田彰布監督率いる阪神タイガースは、先日オリックス・バファローズとの〝関西ダービー〟を制して、1985年以来となる38年ぶりの日本一を決めた。

 この日本シリーズ号は10万部の発行を予定していたが、第7戦の平均世帯視聴率が関西地区で38.1%を記録するなど大きな注目を集めたため、発売前に5万部の増刷を決めた。

 なお、発売前に増刷をするのは1070号「<WBC永久保存版>日本野球、世界を制す。」(2023年3月30日発売、計28万部のうち3万部を事前重版)以来とのこと。

 「Number」編集長・中村毅氏は異例となった重版について「1084号ではこの日本シリーズ全7戦を各試合のキーマンを中心に詳報しています。MVPを獲得した近本光司外野手には、試合終了直後の忙しいなかで、単独インタビューに応じていただきました。ぜひお手にとって、感動と興奮の〝再体験〟をしていただきたいと思います」とコメントしている。


 最近は若い女性の広島カープ人気や、大谷翔平の活躍などで野球人気が幅広い層に広がっている印象を受ける。今年3月にナナロク社から刊行された、筋金入りの阪神ファンである池松舞による歌集『野球短歌 さっきまでセ界が全滅したことを私はぜんぜん知らなかった』も話題になったことは記憶に新しい。スポーツ誌とは言え、このような形で業界が活気づくのは喜ばしいことだ。