4月20日、セルバンテス賞の語源であり「ドン・キホーテ」で有名なミゲル・セルバンテスの出身地であるアルカラ・デ・エナーレスの大学において、フェリペ国王夫妻ら来賓が見守る中、エドゥアルド・メンドーサはセルバンテス賞を受賞した。

セルバンテス賞はスペイン語圏で最も栄誉ある文学賞の一つであり、人生を通してスペイン語文学の発展に寄与した人物に与えられる。1976年に創設されて以来、スペインと中南米の著名な作家を表彰し続けており、今回で40回目となる。

エドゥアルド・メンドーサ(Eduardo Mendoza Garriga,1943~)は1943年にスペインのバルセロナで生まれた。1975年に最初の小説を発表したが、当初はフランコによる全体主義政権の末期だった為に活動に制限を受けた。しかしフランコが死にスペインの民主化が進む中で順調に作家としてのキャリアを形成し、様々な小説や戯曲を発表した。特にピカレスク小説とユーモアに満ちた描写が多くの支持を得ている。また、生まれ故郷のバルセロナを度々作品に登場させており、躍動感のある都市の描写にも定評がある。邦訳された作品は現在「奇跡の都市」「グルブ消息不明」のみだが、2013年に来日し各地で講演を行っている。