私は、Twitterに於いてミニ子@破滅派(@minico_me)の運営をする中で情報を集めるために、図書館のアカウントを集めたリストを作った。その作業の途上、情報の発信が進んでいると思っていた各都道府県立図書館でも、Twitter上においてそれ程情報発信を行っていない所もある事に気付いた。予算や人員、情報セキュリティ等の諸問題もあり、一概にその状況の善し悪しを決める事は出来ないが、やはり利用者としては気になる所だろう。そこで、各都道府県立図書館のTwitterアカウントの運用状況を調べる事にした。何かの役に立てば幸いである。
注意
・これらは2016年11月上旬の記録である。
・まず日本の各地方ごとに分類し、各都道府県に分けている。
・各都道府県図書館の名前には、公式サイトへのリンクを貼ったので参考にして欲しい。
・閲覧時の新しいツイートを紹介する様にした。ただし、アカウントが存在しない場合や画像がかさばる場合等の例外も多々ある。
・時々、余談をつけた。
・北海道、東北地方
2013年3月に登録。数日に一回、図書館のイベントや話題の新作図書を紹介している。リプライには応じていない。道立美術館などと連携もしている様だ。
11月9日(水)14時より、利用講座「暮らしに役立つ図書館講座」開催! 第2回は「地球温暖化と交通の関わり」をテーマに、北海道運輸局の大友晃司氏の講演とお役立ち資料紹介を行います。詳細は当館ホームページにて。(利用サービス課) https://t.co/Apb65QbehA
— 北海道立図書館 (@do_pref_lib) November 3, 2016
アカウントは存在していない。サイトも、やや古さを感じさせる作りである。ただ、公式の情報発信が全く行われていないかとそう言う訳ではなく、青森県庁@AomoriPrefのアカウントがある程度代わりを果たしている様だ。
青森県立図書館(近代文学館)解説員を募集します![青森県立図書館]https://t.co/ZG9Qbtw7id
— 青森県庁 (@AomoriPref) November 1, 2016
その前にプレ開催として「どんなお仕事かな?ー図書館編ー」を開催します。11月13日(日)14:00~14:30、児童コーナーで開催しますので、図書館のお仕事に興味がある人はぜひご参加ください。こちらも申込は不要です。ご来館お待ちしています。
— 岩手県立図書館 (@iwate_pref_lib) November 8, 2016
頻繁に更新されており、フォロワー数も多い。毎日の開館日・閉館日の告知や様々なイベントの開催もすばやく確認できるアカウントになっている。また、マスコットキャラクター「そめちゃん」も、季節やイベントごとに装いを変えるなど活用されている。利用者にとって大体理想的な活用がされているだろう。
余談ながら、岩手県民ではない私も度々ここを利用した事がある。盛岡駅裏側のアイーナと言う総合行政施設内に存在しており、アクセスや居心地の快適さが良い。
https://twitter.com/akita_pref_lib/status/390390583463661568
https://twitter.com/akita_pref_lib/status/390416480539394048
存在は、した。公式マークが付いていないが、恐らくこれが公式なのだと思われる。しかし、この2ツイートを発した後、秋田県立図書館のアカウントは3年以上沈黙している。この様な状況なのでフォロワー数や運用状況、コンタクトなどの問題も語る以前の状態である。個人的には、存在しないよりも寂しい状態だと思う。
宮城県「立」図書館、ではなく、宮城県図書館である事に注意。ただし、地元の人はそんな区別はしていない様である。
宮城県図書館では,平成28年10月27日(木)から11月11日(金)まで,2階展示室で「字は口ほどにモノを言い。」展を開催中です。あの明治・大正期の文豪の直筆原稿が見られるまたとない機会です。『文豪ストレイドックス』を見ている人も見ていない人も,是非宮城県図書館へおこし下さい。
— 宮城県図書館 (@Miyagi_pref_Lib) October 28, 2016
昨年の3月までは数日に一回程の更新があった様なのだが、原罪の運用頻度はそれ程高くない。数週間から一、二ヶ月に一回、イベントの為に更新している、と言う程度の様である。フォロワー数もあまり多くはない。
ちなみに現時点の公式サイト
未来に飛んでいるが、大丈夫だろうか。
アカウントは存在していない。
アカウントは存在していない。
・関東地方
アカウントは存在している。しかし、非公開アカウントである。2012年に作成され、10ツイートほどしかされていない様なので、仮に見えても仕方がないとは思うが、これも寂しい。「ブック・マーくん」と言うマスコットキャラクターの笑顔がただ凍りついている。
アカウントは存在していない。公式には群馬県広報課@GunmaPref_kohoのアカウントが図書館に関しツイートする事があるが、その頻度も高くは無い様だ。
アカウントは存在していない。こちらも群馬県と同じく、公式には栃木県の広報課@pref_tochigiが時々ツイートするくらいである。
栃木県立図書館デジタルコレクションの公開について https://t.co/0agDOMmiK5
— 栃木県広報課 (@pref_tochigi) July 25, 2016
【久喜図書館】録音資料は、視覚に障害のある方に無料の郵送貸出を行っています。返却も無料です。図書館に来館する必要はありません。電話でお申し込みください。https://t.co/ZCNBkXh5ZK
写真は、CD(#デイジー図書)を送る専用の郵送箱です。 pic.twitter.com/GB0omT8rSp— 埼玉県立図書館 (@saitamaken_lib) November 8, 2016
2016年9月に出来たばかりの新しいアカウントである。フォロワー数やツイート数もまだ少ないが、比較的頻繁に更新されている。これからの発展に期待したい。
埼玉県立図書館について特筆すべき事がある。現在、県庁所在地のさいたま市(浦和)に県立図書館が存在していないのだ(正確には、資料取り寄せや返却等が出来る分室はあるが)。現在は久喜と熊谷に分散して存在している状況である。2015年3月までは浦和館が存在していた(閉館の数ヶ月前に私も始めて訪れて利用した)が、耐震や予算の問題などを理由に閉館してしまった。浦和駅から少し離れていたり、浦和駅すぐのデパート内にもっと新しい市立図書館があるなどの欠点もあったが、風格のある良い建物だった。
アカウントは存在していない。首都圏にあって利用者は少なくないと思うのだが。
いざ 図書館へ!
企画展示「いざ 江戸城へ! 白書院・黒書院に見る儀式と年中行事」@都立中央図書館YouTubeにPR動画をアップしました。TV番組のような美しい仕上がりと自負しております。ぜひお楽しみください。https://t.co/LJPIfyYzkj
— 東京都立図書館 (@tm_library) November 4, 2016
やはり首都直下の図書館だけあって、Twitterの運用も良く行われている様だ。頻繁に更新されており、フォロワー数も多い。また、図書館近辺のイベントについても知らせている様だ。
都立図書館は、都立中央図書館と都立多摩図書館に分かれている。中央図書館は日比谷に存在し、周辺には大使館や有名私立学校などが並んでいる、都心でも比較的落ち着いた場所である。ただし、中心外から地下鉄を使ったアクセスはあまり良くない。
1F推薦図書コーナーの内容が新しくなりました。当館が連携している産業関係団体より「ビジネスにつながるヒントになる。」本を推薦していただき紹介しています。どうぞご覧ください。(川崎)#川崎図書館 pic.twitter.com/o4gH8EOwfD
— クリッピング!(神奈川県立の図書館) (@kanagawa_lib) November 6, 2016
比較的頻繁に更新されており、イベントや蔵書案内について分りやすく知らせてくれている。フォロワー数は多くは無い。神奈川県立図書館は横浜と川崎の二館に分れているが、このアカウントは偏り無くツイートしている様だ。
・甲信越、北陸
アカウントは存在していない。
長野県立、ではなく、県立長野図書館である。アカウントは存在していない。公式には、長野県の広報アカウント@nagano_bが時々ツイートする様である。
全国の図書館初?!お持ち帰りができる企画展!「Re’80(リ・エイティーズ)-バブルでトレンディだった新人類たちへ」開催中です!https://t.co/k6xE17DrcY【よむナガノ 県立長野図書館ブログ 】 https://t.co/QjxlZkB0uu
— 長野県庁信州ブランド推進室 (@nagano_b) November 8, 2016
アカウントは存在しているが、非公開状態である。2016年3月に作られた比較的新しいアカウントではあるが、一度もツイートしていない様だ。プロフィールは書き込まれているのだが、そこからリンクされている山梨県のソーシャルメディア運用方針のページには図書館が載っていない。方針が途中で変わったのだろうか。
【展示のご案内】今日は1994年のベストセラーを紹介します。1位は『大往生』(永六輔/著)でした。現在、当館1階閲覧室にて、企画展示「あの頃、あの本 ベストセラー50年史」を行っています。 https://t.co/5V8RIbAOT6
— 富山県立図書館 (@toyama_preflib) November 7, 2016
2016年7月に出来た新しいアカウントであり、頻繁に更新されている。Bot的活用もしている様だ。これからに期待したい。
【展示】11月1日(火曜日)から11月29日(火曜日)まで子どもの本のひろばで、ミニ展示「宮沢賢治の世界」をしています。どうぞご覧ください。https://t.co/xcWxEjl8bE
— 石川県立図書館 (@iskw_preflib) November 4, 2016
2015年8月に作られたアカウントである。数日ごとに、一度にまとめて多くのツイートを行っている。フォローやリプライは行わない方針を明記している。
ペーテル・エクベリ/作,スヴェン・ノー ドクヴィスト/絵,枇谷玲子/訳『自分で考えよう 世界を知るための哲学入門』晶文社刊 ティーンズコーナーに入りました。考えるってどういうことだろう。哲学の知 →https://t.co/aYufBCEUkk #bookmeter
— 福井県立図書館 (@Fukui_Pref_Lib) November 5, 2016
2010年から運用されている古いアカウントである。数日ごとにイベントや蔵書についてツイートしている。ツイッターと言う場を意識してか、ティーンズ向けの案内がやや多いようである。
・東海
アカウントは存在していない。
愛知県立、ではなく愛知県図書館である。
【11/5新着図書】『素顔のフィギュアスケーター フィギュアスケーターのオアシスKENJIの部屋』宮本 賢二/著(小学館 2016.10)
— 愛知県図書館 (@aichi_library) November 5, 2016
2011年3月に運用開始された。大体一週間おきに、イベントや新着図書をツイートしている。こちらもティーンズ向けの案内が多い。
上に同じ。
https://twitter.com/Gifu_Pref_Lib/status/714764436154806272
だそうである。告知がある分良い。3月まではそれなりに更新していた様だ。
三重県立図書館ティーンズコーナー「今日は何の日?」11月8日は「いい歯の日」。平成5年(1993年)に日本歯科医師会が、「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせで制定しました。#今日は何の日 pic.twitter.com/Q5c5CUWR6q
— 三重県立図書館 (@mie_pref_lib) November 8, 2016
積極的に活用されているアカウントである。毎日更新されており、単に図書館だけでなく近辺のイベントについての情報も発信している。また、ティーンズ向けの情報も多い。今日は何の日?と言ったような紹介もあり、ミニコも時々これをリツイートしている。理想的な運用がされているのではないか。
・関西
アカウントは存在していない。
アカウントは存在していない。利用者は多く居そうなのだが。
平成28年11月20日(日)12:00〜18:00
《大和の茶market》 〜「奈良学の集いの日」presents… https://t.co/foy1gbyZXQ— 奈良県立図書情報館 (@library_nara) November 4, 2016
図書館、だけではなく図書情報館を名乗る様に、活用が進んでいるようだ。およそ一週間ごとに情報の発信を行っている。また、この公式アカウントとは別に、マスコットキャラクター「白鹿くん」@nplicやビブリオバトル部@narabiblioのアカウントも存在している。ただ、白鹿くんは更新が停止している。
【府立中央図書館からのお知らせ】「YA!YA!YA!みんなの広場‐職員の日記帳」に「本のPOP広場表彰式に「もずやん」がやってくる!」を掲載しました。https://t.co/Hs7tVZzfmi
— 大阪府立図書館 (@osaka_pref_lib) November 6, 2016
ほぼ毎日更新されている。大阪府立中央図書館と、大阪府立中之島図書館の二館が存在するが、どちらについても偏り無く情報が発信されている様だ。
【11月8日(火) 自習教室のご案内】 本日は9:00~12:30の時間帯にて、自習教室としてご利用いただけるお部屋がございます。お申込み、お問い合わせはBig・U総合受付までお越しください。
— 和歌山県立情報交流センターBig・U (@wakayama_bigu) November 8, 2016
和歌山県立図書館の総合的なアカウントは見つからなかったが、和歌山県立紀南図書館を含む施設のアカウントがあったので紹介する。ただし図書館の扱いは大きくない。
アカウントは存在してしない。日本でもっとも新しく出来た都道府県立図書館であり、また県庁所在地の神戸市ではなく、明石市に所在している。
・中国地方
【岡山県立図書館】図書館フェスタ二日目の明後日(10月30日)は、「ナクソスシアターコンサートと視聴体験会」を開催。イベントでは、そのサービスを使って、図書館デジタル情報シアターでクラッシック音楽鑑賞の醍醐味の一つ「聴き比べ」をしながら「音楽の楽しみ方」に触れていただきます。
— 岡山県立図書館 (@okayama_preflib) October 28, 2016
大体一ヶ月おきの更新である。どんなイベントがあるかなどを知る事は出来るが、即応性を求める利用者には物足りないかも知れない。
…
— 岡山県立図書館 (@okayama_preflib) September 29, 2016
どうした?
アカウントは存在してしない。
【企画展示・一般】障がいとスポーツ~ぼくらの可能性~(平成28年11月1日から11月29日まで)
11月12日に「発達障がいとスポーツ」をテーマとした講演会が開催されます。図書館でも関連本を展示中。
詳しくは→https://t.co/YqpjPFLoJD— 鳥取県立図書館 (@TottoriPrefLib) November 1, 2016
大体数日おきにイベントや蔵書の案内を行っている。企画展示やミニ展示についての情報が多いのが特徴である。
アカウントは存在してしない。
アカウントは存在してしない。
・四国
アカウントは存在しない。公式サイトは古い作りである。
関西文化の日(11/3~20・11/23)の間、博物館・鳥居龍蔵記念博物館・近代美術館の常設展観覧料が、どなたも無料です。また、「関西文化の日」映画会として、11月20日(日)14時から、「リバー・ランズ・スルー・イット」を21世紀館ミニシアター(定員50名)で上映します。
— 徳島県文化の森総合公園 (@Tokushimabunka) November 8, 2016
周辺の文化施設と共同のアカウントである。イベントが豊富に紹介されているが、施設の数が多いので図書館だけを抜き出すのはやや難しい。
アカウントは存在していない。
アカウントは存在していない。
他の地域でも無論度々都道府県立図書館のアカウントが存在していないのだが、四国と言うくくりで見ると、徳島県の合同化されたアカウント以外見られない(徳島も扱いが小さい)と言うのは中々寂しくある。
・九州、沖縄
アカウントは存在していない。ここも利用者は多そうなのだが。
アカウントは存在していない。
アカウントは存在していない。県ではないが、長崎市の文化振興課アカウント@nagasakibunkaが時々ツイートするようだ。
アカウントは存在していない。
【お知らせ】本日は休館日です。
本の返却をされる方は、返却ポストをご利用ください。
県立図書館の休館日は原則、毎週火曜日・毎月最終金曜日です。ご確認ください。
また、火曜日と水曜日は熊本市総合体育館の都合により駐車場が手狭になることがございます。あらかじめご了承ください。— 熊本県立図書館子ども図書室 (@kuma_lib) November 8, 2016
熊本県立図書館、の中の子ども図書室のアカウントが存在した。更新は頻繁に行われている。未だ地震の爪痕も残っているだろう熊本において、絵本や児童書は子ども達を癒しているに違いない。
アカウントは存在していない。
アカウントは存在していない。鹿児島本館と奄美分館が存在するが、奄美分館の情報については地元のTV局アカウント@amamitvが時々情報を流しているようである。
書庫見学会
11月3日 木曜日
・午前 10時~ ・午後 14時~
県立奄美図書館 無料
県立奄美図書館 0997-52-0244… https://t.co/7guSgvrIYl— amamitv (@amamitv) November 2, 2016
公式のアカウントは存在していない。しかし、篤志ある方が非公式を名乗りつつ、公式に負けない運用をしているアカウントがあった。
おかげさまでたくさんの方にお申込みいただいています!まだ若干座席ありますので、興味のある方はぜひ٩( 'ω' )و#読書週間 https://t.co/u2VQEvF1sm
— (非公式)沖縄県立図書館 (@okinawa_lib) November 3, 2016
ほぼ毎日、非公式であるとは言いながらも公式に劣らない情報を発信している。素晴らしい事である。
後記
さて、こうして47都道府県を見て周ったが、第一印象としては、西低東高、と言う具合だろうか。特に中国・四国・九州の都道府県立図書館アカウントの少なさが目立つ。勿論、これは地域ではなく各県毎の事情ではあるが。各図書館毎の方針も見え、秋田県の様に放置された物、岐阜県の様に運用を公に止めた物もある。そうなるに至った事情もあるはずで、「SNS、Twitterアカウントを運用していないから悪い図書館」などと言う訳には当然いかない。
しかし、特に若い世代の図書館利用者にとっては、SNSで情報を得たい所もあるだろう。破滅派のミニ子も、Twitterでの情報に大いに頼る部分がある。埼玉県の様に新しく運用が始まったところもあり、これからどうなって行くか期待である。
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