この作品はたしかに間違いなく百合小説なんです。
三月の下旬、もう春めいた頃に生まれた子供が十五年後にはあらゆる大木を尽くなぎ倒す人物になろうとは、親でさえも思っていなかった。 彼は幼いころから嘘つきだった。そのことで大人によく叱られたらしい。…
特に何があった訳でもないけど、彼は深夜に散歩する。永久に。カタカタと音を立てて、散歩する。どこがカタカタと音をたたているのかは分からないけれど、必ず、彼の歩きにはカタカタと音がする。
赤郷依沙(あかさといさ)についての物語。
Xで@lemlemrayと@kausogohan で書いたものです。交歓!
百合ホラー(tragedy) 随時加筆していきます。
(気持ち悪いから真正面からあげるよ)
ヨーグルト。氷。あなたにわたすから、肯首するのよ。 ガーゼ。明るい。鱗。セロハンテープ 邪な両面テープ。
羊飼いはたくさんの羊を放牧していた。ウールは上位階級の者しか着ることができない。あのときそうしていれば……。鏡像関係のように、コットンを纏うあなたの手は何でできていて?触れ合う手?透き通るような…
(気持ち悪いからこそ真正面から書いたのです)
群馬県にあるいかがわしい店に弟と行った。記録
ウキウキでかきました。
私は歯磨きをしながら彼女に声をかけた。「もう歯磨いた? 」「ううん、これから磨くとこ。」これが合図。私は先に口を濯ぐと、ベッドに腰掛ける。遅れて彼女が隣に座る。造作もなく、彼女が目を瞑り、私が唇…
その春の夜は雨が降っていた。わたしは、セブンスターの煙草に火をつけて、ブランコをこいでいた。徒歩5分のセブンイレブンでチューハイを買ってきた帰りだった。イヤホンでは、お気に入りの音楽が流れている…
私は書き損じを破ると屑籠に放り込んだ。これで五回目だ。毎度のことだが、思った通りに言葉が出てこなかった。書いたものを見返したら、とても心の内を伝える文章には思えない。ただただ硬い。筆跡も伸びやか…
木漏れ日の差す木々の間を、私は歩いていた。歩き出してから、すでに三時間が経とうとしている。 季節は秋に差し掛かるところで、葉は色づき始めたところ、細やかに表情は変化する。光は薄雲を潜り抜け、飛沫…
僕と恋人はスターバックスで珈琲を飲みながら本を読んでいた。僕は夏目漱石を読み、彼女は村上春樹を読んでいた。「それから」は冗長な小説だった。「1Q84」も恐らくそうであろうと思う。彼女がふと顔を上…
最初はカフェイン剤だった。彼は何とかして自分を変えたいと願っていた。内気で独りぼっちの自分を。高校一年生だった。カフェインを一グラム飲み、酔った感覚に、ぼやけて歪む視界に、自分を変えた気になって…
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