日本で最も有名な文学賞である、芥川龍之介賞・直木三十五賞の第165回受賞作が発表された。

芥川賞の選考委員は小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一。

直木賞の選考委員は浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき。

 

芥川賞 石沢麻依『貝に続く場所にて』、李琴峰『彼岸花が咲く島』

今回の芥川賞は、2作品が選出された。

芥川賞を受賞したのは、石沢麻依『貝に続く場所にて』(群像 6月号)と、李琴峰『彼岸花が咲く島』(文學界 3月号)。

貝に続く場所にて by [石沢麻依]

『貝に続く場所にて』は、ドイツで暮らす主人公の下に2011年東日本大震災で行方不明となった友人が突然現れるという、現代の時間をテーマにした小説となっている。著者の石沢麻依は初ノミネートでの受賞となった。

【第165回芥川賞受賞作】彼岸花が咲く島 (文春e-book) by [李 琴峰]

『彼岸花が咲く島』は、記憶を失った主人公の少女が漂着した、男女それぞれ異なる言葉を学ぶ島で繰り広げられるドラマを描く小説となっている。著者の李琴峰は二度目のノミネートでの受賞となった。

 

 

直木賞 佐藤究『テスカトリポカ』、澤田瞳子『星落ちて、なお』

直木賞も、2作品が選出された。

直木賞を受賞したのは、佐藤究『テスカトリポカ』(KADOKAWA)と、澤田瞳子『星落ちて、なお』(文藝春秋)。

テスカトリポカ (角川書店単行本) by [佐藤 究]

『テスカトリポカ』は、メキシコの麻薬密売、ジャカルタの臓器ブローカー、謎の孤児と古代文明などが混然と入り混じる裏社会小説である。著者の佐藤究は初ノミネートでの受賞となった。

 

【第165回直木賞受賞作】星落ちて、なお (文春e-book) by [澤田 瞳子]

『星落ちて、なお』は、明治時代の浮世絵師の家に生れた女性が力強く生きていく人生を描いた小説となっている。澤田瞳子は5回目のノミネートを経て受賞となった。