メニュー

休憩の国 無花果回(著)

ラブホテルには、誰も愛しに来ない部屋がある。泣くため、眠るため、家族から一時間だけ消えるため——看板の「パ」が消えた国道沿いのホテル「パライソ」に、人々は愛以外の理由で通っていた。介護職を辞めた清掃員・瀬川千尋は、他人の痕跡を片づけるうち、取り壊しの決まった四〇七号室で、亡き父の筆跡に出会う。休み方を知らない国の、静かな一年。

  1. 完結済み ( 2026 年 4 月 25 日 〜 2026 年 4 月 26 日 )
  2. 4 作品収録
  3. 41,628文字(400字詰原稿用紙105枚)
  4. あとがき付き(約330文字)

Authors & Editors 執筆者一覧

無花果回

無花果回 著者

詩人。

Works 収録作一覧

  1. 無花果回

    1. 第一部 休憩

    • 小説
    • 8,193文字
    • 2026 年 4 月 25 日公開

    看板の「パ」だけが消え、夜になると「ライソ」とだけ光るホテル・パライソ。そこに通う人々は、必ずしも恋人同士ではなかった。昼間に一人で来て眠る男、老母を連れてくる中年女、部屋でケーキだけ食べて帰る若いふたり。清掃員として入った千尋は、匂いを消す手の動きのなかで、この建物が「愛のための場所」ではない別の顔を持つことを、少しずつ知っていく。

  2. 無花果回

    2. 第二部 宿泊

    • 小説
    • 9,826文字
    • 2026 年 4 月 26 日公開

    ハンカチをわざと忘れていく男がいる。左耳のピアスばかり落としていく女がいる。兄のシャツを置いて帰ると決めた男がいる。何ひとつ置いていかないと決めた少女がいる。彼らに名前がつきはじめたとき、千尋ははじめて気づく。自分は、家にも、ここにも、まだ何ひとつ置いてきてはいない――と。

  3. 無花果回

    3. 第三部 延長

    • 小説
    • 12,472文字
    • 2026 年 4 月 26 日公開

    四〇七号室には、誰のものでもないノートがあった。ノートは、書かれた日からずっと、誰かに読まれる日を、しずかに待っていた。千尋がそれを開いた夜、待っていたのは、ノートのほうではなかったのかもしれない。

  4. 無花果回

    4. 第四部 退室

    • 小説
    • 11,137文字
    • 2026 年 4 月 26 日公開

    ある日、ホテルは閉まる。閉まったホテルから、人は、それぞれの場所へ、退室していく。それぞれの場所、というのは、家のことではないかもしれない。家でも職場でもない、もうひとつの、誰にも見られない、二時間の場所。そういう場所が、町のなかに、いくつ、隠れているのだろう。

How people say みんなの反応

破滅派は同人サークルから出発していまや出版社となりました。
破滅派の書籍は書店・通販サイトでお求めいただけます。

破滅派の通販サイトを見る