人情や市井の人々の姿を書き続けた小説家、山本周五郎の没後50年を記念する特別展「歿後50年 山本周五郎展」 が、山梨県立文学館で開催されている。

山本周五郎こと清水三十六は幼少期に豪雨災害により親戚が何人も亡くなる悲劇を経験しながらも、小学校の教師に励まされ小説家を志すようになる。質屋山本周五郎商店や帝國興信所に勤めつつ小説を執筆し、1926年4月、文芸春秋に「須磨寺附近」が掲載され出世作となった。この時、世話になった山本周五郎商店の名を筆名とする。以後、時代小説や人情物の小説を多く書いた。また、1943年の直木賞始め、度々文学賞を推されるが辞退を繰り返した。山本周五郎の作品は黒澤明監督の映画原作にも度々使われている。

特別展「歿後50年 山本周五郎展」では、山本周五郎の貴重な直筆原稿や、関連する物品を集め展示している。また、初出雑誌や映画のポスターなども展示されており、当時の小説界の様子や映画との関係も知ることが出来る。特別展の関連イベントとしては、山本周五郎の作品を原作とした映画を上映する映画会、文学講座などがある。

特別展「歿後50年 山本周五郎展」は、山梨県立文学館で6月18日(日)まで開催。休館日は原則月曜日。詳しい情報は下記サイトを参照のこと。