スウェーデン・アカデミーは9日、2025年のノーベル文学賞受賞者を、ハンガリーの作家クラスナホルカイ・ラースローに授与すると発表した。ハンガリー人の作家としては二度目のノーベル文学賞となる。賞金として1100万スウェーデンクローナが贈られる。
近年、スウェーデン・アカデミー内部の不祥事問題により2018年度の開催が見送られるなど体制が揺れ動いていたノーベル文学賞だが、2019年より体制を改めて再び開催されるようになった。
2025年度ノーベル文学賞の受賞者となったクラスナホルカイ・ラースロー(1954~)は、ハンガリー出身の男性作家である。1983年より創作活動を始め、『抵抗の憂鬱』、『サタンタンゴ』など、様々な絶望的不条理を描く作品で世に知られるようになった。ブッカー国際賞などの受賞歴も多い。邦訳作品は『北は山、南は湖、西は道、東は川』があり、これは日本を題材にした作品である。
スウェーデン・アカデミーはクラスナホルカイ・ラースローの作品について「for his compelling and visionary oeuvre that, in the midst of apocalyptic terror, reaffirms the power of art.」(終末的な恐怖の真っ只中にあって芸術の力を再確認させる、説得力と先見性のある作品)と評価した。
一部で受賞が期待されていた、日本人作家の村上春樹氏や佐川恭一氏は今年も受賞を逃した。

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