第四回阿波しらさぎ文学賞の受賞作が10日発表され、なかむらあゆみ 「空気」が大賞を受賞した。

「第四回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」は、徳島新聞社と徳島文学協会が主催する文学賞であり、最終選考委員を芥川賞作家の吉村萬壱や小山田浩子らが勤めることなどでも話題となっていた。また、第二回の大賞は、破滅派同人の佐川恭一が受賞している。応募作品の条件は、未発表の小説で、徳島の文化・地名・歴史等を盛り込むことが条件となっており、これを機に徳島に取材に行く作家もいる。今回は全国43都道府県および海外から516件の応募があり、最終選考では19作が通過していた。

選考結果は8月10日に徳島新聞紙上で発表され、大賞はなかむらあゆみの「空気」に送られた。また、徳島県内在住者と徳島出身者を対象にした徳島新聞賞は宮月中の「にぎやかな村」が受賞した。25歳以下が対象となっている徳島文学協会賞は茜あゆむの「移動する祝祭日」が受賞した。

今回、大賞を受賞したなかむらあゆみは徳島市出身の48歳女性で、昨年の第三回阿波しらさぎ文学賞では徳島新聞賞を受賞していた。大賞受賞作の「空気」は、空気感染への恐怖や、同調圧力という「空気」など、コロナ禍における社会の様相をテーマにした作品となっている。

今回の受賞作である「空気」と最終選考委員4人の審査評は8月27日付、「にぎやかな村」は28日付、「移動する祝祭日」は29日付の徳島新聞と徳島新聞電子版でそれぞれ紹介されることとなっている。受賞者それぞれの今後の活躍に期待したい。