1. 一面に広がる麦の穂がそよ風に揺れている。それは緑色の海が波打っているようにも見える。耳を澄ますと遥か遠くの入道雲の奥から微かに雷の音が聞こえる。もう・・・夏も終わりである。僕が運転する軽自動車はその海 […]
その日、僕は仕事で荻窪に出かけた。仕事が済んだのは午後9時。僕は荻窪駅から総武線の電車に飛び乗った。 電車は津田沼行きだった。以前から疑問に思っていたことだが、中央線と総武線の違いは八王子方面行きか千葉方面行きかの違いな […]
「穴」 朝、歯を磨いていると、鼻の穴がムズムズする。「鼻毛が伸びたか?」と思って鏡に顔を近づけて鼻腔を広げて覗き込む。 鼻毛が長く伸びている様子はないが、鼻の奥から何かが僕を覗いているような気がした。同時に何だかコリコリ […]
朝、洗濯機が動いて「ウン~ウ~ンウン・・・」と機械的な唸り声をあげている。 僕は、鏡を見ながら歯を磨いている。 鏡の中で歯を磨く自分の姿がブレて二重に見える。子供の頃から乱視なので「いつものことだ」と気にしないで歯を磨き […]
こんな夢を見た。 僕は懐かしい昭和の街にいるんだ。 僕たちは数台の車に分乗して目的地に向かっている。僕のほかに母と妹とかみさんがいる。ほかの車には死んだ親父らしいのも乗っていたよ […]
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