11月7日に発売される「新潮」12月号に、アーネスト・ヘミングウェイによる未発表小説「中庭に面した部屋」が掲載されることが明らかとなった。
【速報!】ノーベル賞作家ヘミングウェイが晩年に書いた未発表小説「中庭に面した部屋」を、11月7日発売開始の新潮12月号に掲載。舞台はナチスドイツから解放されたパリのリッツホテル。ヘミングウェイ自身の戦地体験が濃厚に反映された素晴らしい作品です。ご期待ください!https://t.co/Bm0uwKw28l
— 新潮 (@Monthly_Shincho) October 30, 2018
アーネスト・ヘミングウェイ(1899~1961)は、「誰がために鐘は鳴る」「老人と海」などで知られる小説家であり、1954年のノーベル文学賞も受賞している。第一次世界大戦において赤十字職員として、またスペイン内戦では人民戦線に参加し記録を残すなど行動派の作家であったが、晩年は躁鬱症状に悩まされ、1961年7月2日にショットガンで自殺した。
今回掲載される「中庭に面した部屋」(A ROOM ON THE GARDEN SIDE)はヘミングウェイ晩年の1956年に執筆された小説で、ナチスドイツの支配から解放された1944年パリのリッツホテルが舞台となっている。生前に発表はされなかったが、「自分の死後なら公開しても良い」と言う意思を周囲に示していたため作品の存在は知られていた。長い時が過ぎて今年に入り、アメリカの文芸誌「ストランドマガジン」に掲載され、日本でも今村楯夫(東京女子大名誉教授)の翻訳により新潮への発表と言う形で日の目を見ることとなった。その経歴で知られる様にヘミングウェイは様々な視点で戦争と人間を描写してきた作家であり、今回発表される小説もそれらに連なる作風である可能性が高い。長い時を超えて明らかにされるヘミングウェイの“最新作”に期待である。
ヘミングウェイの作品が掲載された「ストランドマガジン」
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