毎年恒例となっている富士河口湖町・天下茶屋の『山梨桜桃忌』が、2016年度は命日である6月19日(日)13時から開かれる。例年は命日前後の日曜日に予定が組まれているが、今年は幸運にも19日と日曜日が重なっており、いつも以上に多くの太宰ファンを集めそうだ。
富士山を一望できる天下茶屋は、かつて多くの文人が逗留していたことで知られている。太宰が井伏鱒二の紹介でこの茶屋を訪れたのは1938年9月のこと。滞在期間はわずか3ヶ月だったものの、このときにのちの妻・石原美知子と見合いをしており、太宰の人生においては大きなターニングポイントでもあった。滞在中の模様は『富嶽百景』に記されているので、ご存知の人も多いだろう。
39回目となる今年の『山梨桜桃忌』では、以下のような催しが予定されている。
- 参加者による太宰の文学碑への献花
- 海野剛(詩人)による『f富嶽百景』の朗読
- 橘田茂樹(太宰文学研究会)による講演「太宰治と津島佑子」
太宰の娘で作家の津島佑子が今年2月に亡くなったことも記憶に新しい。津島家の歴史についても触れるという橘田氏の講演は、太宰のルーツをあらためて掘り下げる絶好の機会になるのではないだろうか。
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