朗報です。破滅派10号が(たぶん)出来上がりました! というわけで、11/24に開催される第19回文学フリマにて頒布いたします。今回はいつもよりページ数多め、テーマ重め(テーマは別れ)、お値段据え置きでお届けいたします。
また、当日は文学フリマ事務局主宰の打ち上げに参加することで破滅派打ち上げとしますので、ふるってご参加下さい。もし人付き合いが苦手なら破滅派同人以外とは一切口をきかないでも大丈夫ですよ! お申し込みはこちらから。
破滅派10号詳細
特集
- 『ふたり』『リバレイト』伊藤伸一
- 『破滅から遠く離れて』
- 破滅派編集部に寄せられた自殺予告。いざ鎌倉とばかりに福井県へ向かった破滅派編集部員を待ち受けていたものとは。破滅派の魂を散文とルポルタージュに乗せて。
- 『青井さんのこと』破滅派同人
- 今年のはじめに急逝された破滅派同人、青井橘さんへ寄せる言葉。
創作
- 『入子の十五年』高橋文樹
- 姉が仕込んだ言葉を携えて、入子は快速停車駅の神になる。どうでもいい言葉と、そうでない言葉の境界を区切るのは、私やあなたがそれぞれに生きている時間だったり。
- 『モルフォの水槽』
- 色を巧みに扱う人たちは魔法使いのように見えた。僕のこれまでの人生の傍らには、美しい青色の空間が常にあった。これからのことは、まだ知らない。
入子はとても長い間姉によりそった。彼女が姉の元を去った後、姉が何を思っていたのか、僕はよく知らない。さして若くはない人間が長い時間をかけて償うことについての覚え書き。 - 『闇火風』手嶋淳
- 姉が悩んでいる。義兄が怒っている。ぼくはしょぼくれている。
- 『腐れ儒者列伝 どんぐりころころ編』山谷感人
- 都落ちした長崎のダメ人間が自分よりダメな老人を見つけて欣喜雀躍、うわべはあくまで下から目線。ダメ道を極めた男による反シルバー文学。
- 『願い祈りて、想い遠くへ』南多狂
- 不思議な夢を見る主人公・高遠 信《たかとう まこと》は、ある仕事休みの日に、図書館へと向かう。そこで彼は、図書館の受付の女性と、ひょんな縁からお茶をすることに。そんな彼女との出会いは、過去の願いをなぞる、運命の悪戯の一つであった。
- 『少女死刑』佐川恭一
- あたしの青春……しょぼすぎ……?
- 『植物描きの肖像』坂露シロタ
- 植物描きはバジル・ホールウォードに肖像画を依頼する。
- 『風を供物に』消雲堂
- この10月1日に死んだ、義父の葬儀の日までを書いたものです。
- 『てづくり』浅井真理子
- 自分にとって大きな存在であればあるほど、その重みを受けることができるのではないでしょうか。なぜなら、別れの重みに耐えるということでしか、もうそのひととはつながれないからです。
- 『粉闇』W-E
- 薮のなか、闇夜に降る雪。
- 『拝啓』渡海小波津
- 通し番号は気にせずお読みください。別れの寂しさとはどこからくるのだろうか。それは別れる対象と自己との間にあるものからくるだろう。別れ、私という肉体と記憶体の離別、それ以上の別れがあるだろうか。通し番号順の他人の人生よりもそれを並び替えて見えるものから我々は何か得られないだろうか。
- 『形而下世界でない世界の話』永嶋リンルヰ
- この恤(うれ)ひ多き世(=形而下世界)とは凡そ常識が異なる絶対愉楽の世界がある。著者自らが案内する異次元世界探訪小記。
エセー
- 『お別れ』写真
- 曾祖母は、犬は、うつろな目で横たわる。俺はたっぷり生きた、俺は死ぬ。そうしてお前は、俺を思い出す。さて、私はそれを思い出す。曾祖母との、犬との、別れの体験を、私は語る。しかし、言葉がそれを阻む。さらば、の一つも無しに、それは彼方へと消えた。
- 『輝く夜を探して』九芽英
- もしもあなたが千年後にも残る物語を作ろうとしているなら、それは不可能だ。千年生きた物語は永遠に生き残るのだろうか。リング・ア・ベルで涎を垂らしている間に、月は欠けて臥し待ち月。朔も近いか。