寺山修司没後40年を記念して『書を捨てよ、町へ出よう』の初版復刻版が11月28日に、トゥーヴァージンズから発売される。

 寺山修司は1935年、青森県生まれの劇作家、映画監督、詩人、歌人、競馬評論家。1954年にチェーホフ祭で短歌研究新人賞特選を受賞。67年には演劇実験室「天井棧敷」を結成。多岐にわたる独自の表現活動は、日本のみならず海外でも高く評価されている。1983年、47歳の若さで急逝した。

 初版は、1967年に芳賀書店から刊行された。本書は、横尾忠則がブックデザインしたこの初版を底本として復刊したもの。

 角川文庫ではすでに50万部を超える発行数でロングセラーを記録している、まさに寺山の代表作。

 寺山のテキストの合間に横尾のコラージュ作品が多数収録され、文芸書の枠を超えたアートブックともいえる一冊。寺山修司没後40年を記念して、文庫版未収録の作品も当時の内容そのままに完全復刻。

 さらに、特別付録として、天井棧敷の1967年公演『毛皮のマリー』『大山デブコの犯罪』のチケット2点をリソグラフ印刷で復刻。栞としても活用できる。

 また、『書を捨てよ、町へ出よう』初版本復刊を記念して、寺山自身が生前最後に手掛けた公演を上演した劇場でもある紀伊國屋書店4階の紀伊國屋ホールのある紀伊國屋書店新宿本店ならではの特別なブックカバーを製作。

 寺山主宰の「演劇実験室 天井棧敷」の活動のひとつ、市街劇「人力飛行機ソロモン(新宿篇・1970)」の上演地図とコラボした紙製の書皮。その他、宇野亞喜良デザイン『新宿版 千一夜物語』(舞台/1968)復刻チケット、『書を捨てよ町へ出よう』(1971)映画ポスターのポストカードも付く。なお、特典はなくなり次第終了。

 現在でも多大な影響を与え続けている寺山。芸術家として横山は今や生ける伝説のような存在だ。そんな彼らが駆け抜けた昭和の時代の雰囲気を感じられる復刻版となりそうだ。