読売新聞社が主催する『第74回読売文学賞』が2月1日、発表された。小説部門では、佐藤亜紀「喜べ、幸いなる魂よ」(KADOKAWA)が受賞した。
読売文学賞は、戦後の文芸復興の一助とするため、1949年度(昭和24年度)に創設された。「小説」、「戯曲・シナリオ」、「評論・伝記」、「詩歌俳句」、「研究・翻訳」、「随筆・紀行」の全6部門で前年の最も優れた作品を選んでおり、国内唯一の総合文学賞として定着している。
「随筆・紀行」は第19回から加わり、昨年の第46回からは「戯曲」を「戯曲・シナリオ」部門に改めた。12月に第1次選考会、1月に最終選考会を行い、2月に受賞作品を発表している。
「喜べ、幸いなる魂よ」は18世紀のベルギーを舞台にした、幼なじみふたりの40年にわたる大きな愛の物語。このほか、随筆・紀行部門に沢木耕太郎「天路の旅人」(新潮社)、評論・伝記部門に尾崎真理子「大江健三郎の『義』」(講談社)などが選ばれた。
なお、受賞者には正賞の硯と副賞の200万円が贈られる。
各賞の受賞者は以下。
【小説】佐藤亜紀「喜べ、幸いなる魂よ」(KADOKAWA)
【戯曲・シナリオ】山内ケンジ「温暖化の秋―hot autumn―」(上演台本)
【随筆・紀行】沢木耕太郎「天路の旅人」(新潮社)
【評論・伝記】尾崎真理子「大江健三郎の『義』」(講談社)
【詩歌俳句】藤井貞和・詩集「よく聞きなさい、すぐにここを出るのです。」(思潮社)
【研究・翻訳】鷲見洋一「編集者ディドロ 仲間と歩く『百科全書』の森」(平凡社)
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