8月22日に中央公論新社主催の第52回谷崎潤一郎賞の選考会が行われ、絲山秋子いとやまあきこさんの「薄情」と、長嶋有さんの「三の隣は五号室」の2作が選出された。

選考会は選考委員である池澤夏樹、川上弘美、桐野夏生、筒井康隆、堀江敏幸の5名により行われ、選考の末、絲山秋子さんの「薄情」(新潮社)と長嶋有さんの「三の隣は五号室」に決定した。正賞は時計、副賞は100万円。谷崎賞において2人同時に受賞するのは第41回(2005年)に 町田康の「告白」と、山田詠美の「風味絶佳」 が選ばれて以来11年ぶりである。

絲山秋子さんの「薄情」は群馬県の地方都市に暮らす男の生活をリアルに描いた作品であり高い評価を得た。長嶋有さんの「三の隣は五号室」は東京のとある木造アパートに暮らす人々の群像激で、実験的な作風が評価され選出に繋がった。

贈呈式は「中央公論文芸賞」とともに、10月11日に東京都千代田区のホテルニューオータニで開かれる。また、選考委員による選評は10月7日に発売される中央公論11月号に掲載される。