7月16日に兵庫県尼崎市の尼崎商工会議所でシンポジウム「地域歴史遺産としての怪異伝承~『尼崎百物語』を起点に~」が開催される予定となっている。主催は園田学園女子大学。

かつて日常のあちこちに存在した「怪異」。人々は日常生活の中でそれを伝承していたが、現代では消滅しつつある。シンポジウムでは、この消え行く怪異伝承を掘り起こし地域の歴史遺産として扱う事を考え、園田学園女子大学人間教育学部の大江篤教授、京都精華大文学部の堤邦彦教授をはじめとする歴史・文学の専門家4人による講演とディスカッションを行う。

また今年の春に出版された「尼崎百物語」(大江篤編、神戸新聞総合出版センター)はこのシンポジウムで取り上げられる。近代的な工業都市としてイメージされやすい尼崎の歴史文化の中から怪異伝承を掘り起こしたこの本はシンポジウムの起点となっている。

久留島さんは「有名な怪談『耳無し芳一』の源流が実は尼崎にあること、尼崎と琵琶法師の活動の深い関係について、京都精華大の堤教授の講演も楽しみにしてもらいたい。市内や近隣に住む人々に、自分たちのよく知っている土地にどんな伝承が伝わっているのか、先人たちはなぜ、どのようにそれを伝えてきたのかを考える機会になれば」と期待を込めて語っており、地域の怪異伝承が改めて考え直されるシンポジウムとなりそうだ。

シンポジウムは13時開場、13時30分より開始。入場は無料。