(4章の2) 調子を崩したのが金曜日の夜のことで、混みあうだろう土曜日に医者に行く気が起きず、週末安静にしていれば持ち直すだろう程度に考えて自宅で静養していた。しかしじっと寝てい…
(4章の1) 1年、あるいは2年前だろうか。いずれにしろ少し前になるが、わたしは強く印象に残るテレビ番組を観た。もちろん今歩いている「夢の世界」でのことではない。現実世界でのこと…
(3章の1) ずっと夕暮れだった。 夕日が西の空に大きく浮かび、稜線に沈みかけている。ここは、いつまでたっても夕暮れだけが続く世界だった。 夕暮れは一向に、闇へと突き…