以前お知らせしたアイキャッチ・サムネイル自動出力実験の結果報告です。8/6まで行う予定でしたが、基本的な望む結果は得られたかと思いますので、終了とします。以下、サマリーです。
- 画像はないよりもあった方がいい
- 扇情的な画像の方が成績が高い
画像の有無
まずは「画像の有無によって違いがでるか?」という問題です。これは当初の予想どおり、「画像があった方がクリックされる」という結果になりました。
画像の種別 | クリック数 | 割合 |
---|---|---|
合計 | 616 | 100% |
自動出力 | 303 | 49% |
なし | 237 | 38% |
オリジナル | 76 | 12% |
画像のあるなしで6:4ぐらいなので、結論としては「あった方がよい」となります。でも、思ったほど変わらないですね。
画像による違い
自動出力された画像はこのようなものなのですが、カテゴリーごとに成績をまとめてみました。
カテゴリ | 画像種類 | 合計クリック数 | 画像あたりクリック数 |
---|---|---|---|
ややエロ | 3 | 66 | 22.0 |
少女 | 2 | 28 | 14.0 |
建築物 | 5 | 68 | 13.6 |
子供 | 1 | 13 | 13.0 |
風景 | 4 | 50 | 12.5 |
動物 | 4 | 48 | 12.0 |
乗り物 | 2 | 24 | 12.0 |
抽象画 | 1 | 6 | 6.0 |
この結果を見る限りでは、次のような結果になります。
- エロい画像の成績が高い
- それ以外はどっこいどっこい
- 抽象画は成績が悪い
というわけで、事前の予想どおりとなりました。意外だったのは、女子高生の画像が思ったより低い成績だったことぐらいです。
考察1: 作品に画像は設定すべきか?
結論から言うと、設定すべきです。今回の実験の対象外であった「SNSでシェアされた場合」を考えると、あった方がよいでしょう。
また、こうした「クリック率」とは別に、あくまで筆者個人の私見になりますが、作品にアイキャッチを設定すべきと言われて実際に設定する人の方が作品の質が高いことが多いです。
仕事で画像をいじるようなことをしているので得意とか、パソコン音痴でテキストを書くだけで精一杯であるとか、そういった個人的な事情は人それぞれですが、アイキャッチ指定する人としない人が1,000人ずついた場合、アイキャッチを指定する人の方が「自分の作品をよりよく見せよう、読んでもらおう」という思いが強いことが多いです。
もちろん、思いが実力と必ずしも比例するとは限らないので、アイキャッチを指定してもつまらないものはつまらないのですが。これは相関関係であり、因果関係ではないので、勘違いなきよう。
考察2: どのようにして画像を入手すべきか?
画像を設定するといっても、それなりに知識や技能が必要です。筆者がよくやるのは次のものです。
- 著作権フリーを謳っているサイトからいい感じの画像をダウンロードする
- 貸しポジ(fotoliaや123Rfなど。amanaは高い)で100円から300円ぐらいのを買う
- Wikimedia Commonsにあるパブリックドメイン(著作権の切れた作品)を使う
「え、お金払うの?」と思われる方もいるかもしれませんが、フリー画像だと書かれた内容にマッチしたものが見つからないことが多いので、筆者は探すのがめんどくさくて数百円を払います。
余談ですが、個人的にはflickrなどで見つかるCreative Commonsのものはクレジット表記を行う場所が明確でない限り、使わないようにしています。また、昔の著名な絵画作品を平面的に写しただけの写真は「創造性のない複製物」という扱いになるので、著作権は発生しません。
とにかく、入手した画像をトリミングしたりして、適当な形式にするのですが、この一連の作業がはてしなくめんどくさいという方は、無理して画像を設定する必要はありません。
今後、お手軽な画像の入手方法も紹介していきたいと思います。
考察3: 理想的なアイキャッチ・サムネイルとは?
筆者はよくWeb系の情報サイトを見るのですが、アイキャッチ画像はどこかで見たことのあるものが多いです。高品質な無料写真素材は多くないので、みんなそこを使っているという印象ですね。
やはり創作に携わる人間として、こうした画像でも卓抜な表現を行いたいものです。理想は自分でなんとかできることですが、みんながみんなそんなに器用でもないでしょう。できれば、あなたのテキストに魅力を感じた写真家や絵描きさんが「一緒にやろう!」と言ってくれるまで、自分の力を研鑽するのがよいのではないでしょうか。
ちなみに、筆者個人が面白いと思った作家による絵には、フランツ・カフカの棒人間や芥川龍之介の河童、カート・ヴォネガットJrの天使などがあります。そんなにうまくなくても、なかなか味があるといいますか、面白い絵です。腕に覚えのある方は挑戦してみると良いのではないでしょうか。
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以上、実験の結果報告でした。なお、今回の実験で採用した自動出力機能は近々オフになります。