今月は新潮、文學界、群像、すばるの4誌が発売された。4誌の概観をここで紹介しよう。

新潮 2026年9月号

・【特集】「令和演劇ニューウェーブ」として、対談では岡田利規(チェルフィッチュ)×大石恵美(ダダルズ)「百年後も上演される戯曲を書く」、野田秀樹(NODA・MAP)×蓮見翔(ダウ90000)「演劇をまた流行らせるために」、エッセイでは「私はなぜ演劇を選んだか」として、安藤奎(劇団アンパサンド)「演劇では食べていけない」、池田亮(ゆうめい)「「食らった」から」、石黒麻衣(劇団普通)「予期」、伊藤全記(7度)「ゾンビたちの眼差し」、尾崎優人(優しい劇団)「不在への対抗策」、カゲヤマ気象台(円盤に乗る派)「戯曲さえあれば」、笠木泉(スヌーヌー)「私は歯になる」、金山寿甲(東葛スポーツ)「鼻ピアス」、金子鈴幸(コンプソンズ)「縁」、こんにち博士(南極)「10人で劇団をやること」、額田大志(ヌトミック)「極私的な愛について」松原俊太郎(草)「約束のおもしろ」、宮崎玲奈(ムニ)「演劇はウザかった」、メグ忍者(オル太)「喧噪の中の言葉たち」、山田由梨(贅沢貧乏)「身体ひとつあればできたから」。
 さらに、 特別寄稿として、角田光代「私はただのファンですが」、間宮改衣「めぐりめぐる人生、演劇と私」、相馬千秋「「世界の演劇」の十年」、 山崎健太による評論「問い直される「演劇の条件」──現代日本演劇の十年を考える」 町屋良平の創作「0【ラブ】」を一挙。

・【追悼 庄司薫】として、塩野七生「われら、「一中崩れ」の面々」 。

・辻原登による連載「山吹散るか ほろほろと(第13回・完)」が最終回を迎える。

文學界 2026年9月号

・【特集】「世界はいま」として、創作ではイラン作家シリン・ネザマフィ「記憶の折り目に」、エッセイでは、ブレイディみかこ「This is England 2026」、岩川ありさ「서울퀴어퍼레이드(ソウル・クィア・パレード)一景」が掲載。

・第175回芥川龍之介賞を受賞した小砂川チトによる特別エッセイ「すみやかにテントの設営を!」、住本麻子による作品論「人懐っこく、「あなた」へ――『ゾンビ回収婦』論」。

・磯﨑憲一郎による新連載「日本蒙昧前史 第三部」がスタート。

・【創作】では、町田康「津井田殺し・五里間の紋吉」、石沢麻依「眠れる瞼の行方(連作3)」、坂崎かおる「わに」、大濱普美子「地下の森」、竹中優子「幽霊と春のキャベツ」が掲載。

・犬山紙子による連載「むらむら読書」が最終回を迎える。

群像 2026年9月号

・【特集 若手表現者が読む、村上春樹『夏帆―The Tale of KAHO―』】として、村上春樹の最新刊を七名の若手表現者が新刊について語る。井戸川射子「我々の誕生は距離の誕生である」、九段理江「浦和、武蔵境、足立区、新小岩」、鈴木結生「the use of a book」、ZORN「二行目をいかに遠くまで飛ばすか」、福尾匠「夏帆は「テニスシューズ」を履かない」、マーサ・ナカムラ「人間が生まれ落ちる瞬間の音」、三宅香帆「猫と母殺しのあたらしい旅路」を一挙。

・【戦争総特集/愚かなる戦争】として、加藤典洋/訳・エリス直美による未邦訳批評「不思議の国のカトウ・ノリヒロ 『敗戦後論』をめぐる英語圏からの批判への遅ればせながらの応答」が掲載。マイケル・エメリックによる解説「春半ノート」と併せて。高原到の批評「複数形の「平和」のために」。奥泉光による新連載「ピアノソナタ」がスタート。

 さらに、前田啓介によるノンフィクション「昭和二年生まれの戦争」、論点として、頭木弘樹「当事者嫌悪 聞くことが語ること、語ることが聞くこと」。エッセイでは、藤岡拓太郎「戦争ゆるさんほんとにやだいいかげんにしろ日記」、マーサ・ナカムラ「千鳥ヶ淵の桜と靖国神社」、豊永浩平のルポ「スケッチ・オブ・アメリカ」を一挙。

・創作では、筒井康隆の掌篇「体臭禍」、舞城王太郎の中篇「一生好き。」、村雲菜月の中篇「現在代行形」、乗代雄介「水の中のメタセコイア」が掲載。

・円城塔「鳥のいない国」、毬矢まりえ×森山恵「源氏百人一首 らせん譚」がそれぞれ最終回を迎える。

・永井玲衣による新連載「言わないで言う」、沼野充義による新連載「いまだに死ねないロシア文学のために」がそれぞれスタート。

すばる 2026年9月号

・【創作】では、井上荒野「それがなんだというのだろう」、本谷有希子「ここはふれあいランド」、沼田真佑「フェイスフルネス」が掲載。

・【『ノー・ファンタジー』刊行記念インタビュー】として、上田岳弘「漂流する時代、ファンタジーという生命線」(聞き手・構成/タカザワケンジ)。

・「第50回すばる文学賞」予選通過作が発表。

・高山羽根子による連載「2022 Twenty twenty two」〈20〉が最終回を迎える。

以上、今月の文芸誌読みどころを紹介した。読書の一助になれば幸いである。