作家の目取真俊が韓国の国際文学賞「第7回李浩哲統一路文学賞」に選ばれた。
賞を創設したソウル・ウンピョン区のウェブサイトで7日に発表された。沖縄からの選出は初めて。日本国内からは、第1回で受賞した在日朝鮮人作家の金石範に続いて2人目。「沖縄に対する植民地的差別と抑圧、米軍駐留問題など沖縄が置かれた権力構図の矛盾と不条理を批判し、文学的昇華を実践した」と評価された。
李浩哲統一路文学賞は、南北の分断や統一をテーマにウンピョン区で長年活動する作家の李浩哲を称えて創設された。目取真は、1960年生まれ。沖縄県国頭郡今帰仁村出身。沖縄県立高校の国語教師在職中1997年に『水滴』で第117回芥川賞を受賞。2000年に『魂込め』で木山捷平文学賞と川端康成文学賞を受賞している。沖縄の自然や風土、歴史に根ざした小説で知られる。
現在も辺野古基地移転問題など大きな問題を抱える沖縄の地で真正面からそれらと向き合い活動を続けていることが国際的にも認められたことは、ひとまず喜ばしいことだろう。これを機に諸問題が国際的にも注目され、少しでも前進することを願う。ちなみに前回は、中国の小説家である閻連科が同賞を受賞している。
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