筒井康隆の「大いなる助走」を読んだ。破滅寸前の同人誌内から
直木賞候補に選ばれた作家を中心にしたお話。同人内での乱交旅行、
妊娠、嫉妬と小説家志望が集まっているのにも関わらず、
全く文学的ではない行動。。
破滅派はそう考えるとたいしたドタバタ劇もなく、案外スマートな団体みたいです。
同人誌を出すために売春婦になってお金を稼ぐ女の子もおらず、
親戚中を説き伏せて、家宝を盗み同然に持ち逃げする者もおらず、
小説に打ち込むために仕事を辞める者も出ず、
現代の同人誌活動は生活の破綻を許さないのか、社会人の嗜みなのか。
ここで私事を一つ。うつ病についての本を読んでいたら、
思わず笑ってしまいました。人間の感じるストレスを数値化しているのですが、
無難に配偶者の死やら結婚やら妊娠やリストラがある中に、
クリスマスって書いてあった。
クリスマスまでがストレスになってしまうなら当然バレンタインデーも
ゴールデンウィークもストレスになるんだろう。
誰かが幸せなときに自分が幸せじゃないという辛さを
私も今まで充分味わってまいりましたが、そんな時だけ自分はクマだと思い込み、
冬眠します。
冬眠時には微妙な水分と食料の事前補給、室内温度、布団の掛け方、
身体の丸め方などがあるので、詳しく聞きたい方は潮まで。
文章が支離滅裂なのは健やかなる冬眠に片足を突っ込んでいるからです。
潮