ラブホテルには、誰も愛しに来ない部屋がある。泣くため、眠るため、家族から一時間だけ消えるため——看板の「パ」が消えた国道沿いのホテル「パライソ」に、人々は愛以外の理由で通っていた。介護職を辞めた清掃員・瀬川千尋は、他人の痕跡を片づけるうち、取り壊しの決まった四〇七号室で、亡き父の筆跡に出会う。休み方を知らない国の、静かな一年。
詩人。
看板の「パ」だけが消え、夜になると「ライソ」とだけ光るホテル・パライソ。そこに通う人々は、必ずしも恋人同士ではなかった。昼間に一人で来て眠る男、老母を連れてくる中年女、部屋でケーキだけ食べて帰る若いふたり。清掃員として入った千尋は、匂いを消す手の動きのなかで、この建物が「愛のための場所」ではない別の顔を持つことを、少しずつ知っていく。
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