梶山祐治『ウクライナ映画完全ガイド』が、パブリブより8月に発売されることがわかった。

2024年2月に髙井ホアン著『鬼畜米英漫画全集』を刊行するなどしている有名出版社パブリブだが、この度、『世界シネマ読本』シリーズが始動した。その第一巻として『ウクライナ映画完全ガイド』が出版される。著者は旧ソ連圏映画研究の専門家である梶山祐治である。

パブリブでは、これまでも平野高志『ウクライナ・ファンブック』を刊行し、他にも旧共産圏についての書籍があるなど、ウクライナや東欧の文化に関する書籍を数多く出版してきた。『ウクライナ・ファンブック』は、2022年からのロシアによるウクライナ侵攻以降さらに版を重ねるなど、侵攻の影の中でもウクライナ文化は注目されている。今回出版される『ウクライナ映画完全ガイド』では、ロシア革命以前のロシア帝国時代やソ連時代そして現代にいたるまで、ウクライナで制作された数多くの映画を取り上げる書籍となる。

・オレクサンドル・ドヴジェンコ『大地』 世界の映画史に燦然と輝く、サイレント映画の名作
・ジガ・ヴェルトフ『カメラを持った男』世界のドキュメンタリー映画史上、最重要作品のひとつ
・セルゲイ・パラジャーノフ『忘れられた祖先の影』山岳民族を色彩豊かに描く、ウクライナ映画オールタイムベスト1
・ユーリー・イリエンコ『渇いた者たちの井戸』ウクライナ映画ベスト作品にも挙げられる、詩的映画の代表作
・レオニード・オシカ『石の十字架』カナダへの集団移住問題を背景にした、貧しい農夫の厳粛なドラマ
・キラ・ムラートワ『無気力症シンドローム』ソ連末期の変調を「無気力症」というシンドロームを通して描く
・ミロスラウ・スラボシピツキー『ザ・トライブ』世界中で称賛された、手話のみで描くろう者たちの青春と暴力
・セルゲイ・ロズニツァ『ドンバス』ドキュメンタリーの名手が劇映画で描く、ドンバスの「真実」

ウクライナで制作されてきた映画たちの豊かな背景を知るためのコラムも充実している。ウクライナの文化と映画をよりよく知ることができる一冊となるだろう。

梶山祐治『ウクライナ映画完全ガイド』は、2024年8月上旬より全国書店、Amazonなどで発売されるとみられる。240ページで、価格は2800円+税。詳しい情報は下記リンクも参照のこと。