今月は新潮、文學界、群像、すばるの4誌が発売された。4誌の概観をここで紹介しよう。
新潮 2026年4月号
・【創作】では、今村夏子「先生のおりがみ」、仁科斂 「丹心」、三国美千子 「姥皮」、筒井康隆による【掌編】「カナール・オ・サン」、高山羽根子の【連作】「ツクモガミ」、川上弘美の【連作】「あなたたちはわたしたちを夢みる」(10)。
・【特集:歩く風景】として、温又柔「「略歴」の彼方」、瀬尾夏美「すべての海を思う」、パク・ソルメ「鳩の翻訳」(斎藤真理子訳)、榎本空「終わりなき遊歩」を一挙。
・佐藤良明による批評「『ワン・バトル・アフター・アナザー』と『ヴァインランド』――分断をすり抜けるピンチョンに共鳴するアンダーソン」。
文學界 2026年4月号
・【特集】「没後二〇年 久世光彦のことば」として、テレビドラマ『寺内貫太郎一家』の脚本家としても知られる久世光彦について。久世朋子×道尾秀介の対談「久世文学の三重のフィクション」、【エッセイ】では、川上弘美「ひょいと」、日和聡子「二十年」、鴻巣友季子「その人に熱心に話しかけるだけ」、鵜飼哲夫「久世さんの二つの顔」、東直子「『あべこべ』のめぐりに」、笹山敬輔「アバンギャルドとメルヘン」を一挙。
・【創作】では、筒井康隆「恋人」、小野正嗣「路線バス」、小林エリカ「びい子の話」。
・【小特集】「東日本大震災から十五年」として、福嶋伸洋による創作「三月十六日の雪」、鈴木結生・小森はるか・佐藤厚志・村井理子によるエッセイを掲載。
・「第56回 九州芸術祭文学賞」最優秀作は、小林安慈「影を泳ぐ」。村田喜代子・青来有一・東山彰良による選評も併せて。
・【リレーエッセイ 身体を記す】朝井リョウ「オンコ」、酒井泰斗+吉川浩満「読むためのトゥルーイズム」がそれぞれ最終回を迎える。
群像 2026年4月号
・【論点】として、関口涼子「いま、小説の枠は広がっているのか――詩の小説への「浸出」」。
・【発見 大江健三郎未発表小説】として、大江健三郎の未発表創作「暗い部屋からの旅行」、「旅への試み」の二作を掲載。さらに、発見に至った経緯解説、阿部賢一による「解説」も。
・三宅香帆による評論「はじめての自分的思考」、武塙麻衣子によるエッセイ「食暦」の新連載がそれぞれスタート。
・竹田ダニエル「リアルなインターネット」、長瀬海「僕と「先生」」がそれぞれ最終回を迎える。
すばる 2026年4月号
・【特集:道をゆく】として、椎名誠×高田晃太郎の対談「自由に人は生きられる」、駒田隼也による紀行「その道をべつのどこかでまた通る」、小説では松浦寿輝「そのきわまるところ」、柴崎友香「揺れている」、清水裕貴「ホワイトサンズ」、大田ステファニー歓人「ハーダル・シニュテーグ」、エッセイでは、井上荒野「あのとき行こうと思わなかった道」、藤野可織「わたしの道の3つ」、小山田浩子「道とみなせば道」、長島有里枝「ハワイ旅行獲得への道」、中西智佐乃「大神神社の参道」、小池水音「二つの道は通じている。」が掲載。
さらに、井上園子のインタビュー「あてのない散歩道、嘘のない生活の歌」、赤坂憲雄の論考「道を踊った──『踊る日記』をよむ」、豊﨑由美によるブックガイド「ロード・ノベルではない「道」の本」、町山智浩の映画ガイド「道との遭遇」。
・町屋良平による新連載「言葉と太陽」がスタート。
・谷川俊太郎の【単行本未収録詩編】「詩人S」「つばめ」「路上」を掲載。
・岸本佐知子×杉田比呂美「ふたりのミッション」が最終回を迎える。
以上、今月の文芸誌読みどころを紹介した。読書の一助になれば幸いである。

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