松本京太郎『共産主義車 ソ連編』が、この度パブリブより発売されることがわかった。
2024年2月に髙井ホアン著『鬼畜米英漫画全集』を刊行するなどしている有名出版社パブリブだが、所謂旧共産圏の文化、共産趣味についての書籍シリーズ『共産趣味インターナショナル』も刊行しており多くの読者をひきつけている。今回、『共産趣味インターナショナル』シリーズの第9巻として、『共産主義車 ソ連編』が発売される。著者は、世界の自動車事情に詳しい旅行家の松本京太郎である。
共産圏でも当然ながら自動車は存在していたが、資本主義社会と異なり、計画経済の下では市民の需要などに応えるのではなく国家や官僚主導で自動車が開発・製造された。『共産主義車 ソ連編』では、アメリカや日本などとは全く異なる、共産主義国の盟主たるソ連で生まれた色々な意味で豊かな自動車たちとその文化の数々が紹介される。
モスクヴィッチ(初代) ドイツから強奪したソビエト大衆車の元祖
ジグリ 皆が羨む高級車だったのに晩年は最底辺
ザポロージェツ(初代) VWとフィアットを融合させた鉄の豚
SMZ-S-1L 傷痍軍人に支給されたサイクロプス3輪車
オカ 走る棺桶と呼ばれたソビエト軽自動車
ZiS-110 スターリンが愛したソビエト・パッカード
ヴォルガ 2代目後期型ソ連崩壊で凋落した官僚向けセダン
チャイカ 豪華すぎてゴルバチョフに潰された高級車
ブハンカ 半世紀を超えて愛されるオフロードバン
GAZ-51 社会主義建設を支えた東側陣営の象徴的存在
LAZ-695 ウクライナ生まれの流麗な中型バス
GAZ-M1 ライセンスを骨までしゃぶりつくしたセダン
SMZ-S-3D 障害者に移動の自由をもたらしたマイクロカー
UAZ-3160 政府に裏切られたソビエト・ランクル
ニーヴァ 西側に衝撃を与えた大衆SUVの新星
AMO-F15 どさくさに紛れてコピーした初の国産自動車
AMO-2/3 アメリカから買い付け、勝手に国産化
GAZ-AA 赤軍を支えたアメリカ生まれの小型トラック
GAZ-66 人間工学完全無視のオフロードトラック
フェスティヴァーリ ラトビア生まれの元祖ソ連ミニバス
ラトビア モスクワ五輪を陰で支えた新世代ミニバス
ErAZ-762 アルメニア育ちの低耐久性おんぼろバン
SARB-スタルト ドンバス生まれの挑戦的ミニバス
これら様々な自動車、それもなんと438車種の来歴と詳しいスペックが解説されるほか、ソ連の自動車文化にまつわる「ソ連人民の自動車購入方法」「ソ連製ロータリーエンジン」「ソ連の自作車両」「ソ連の福祉車両」「ソ連のモータースポーツ」などのコラムも紹介される。共産趣味者や自動車ファンはもちろん、そうでない人にも楽しく読める一冊となるだろう。
松本京太郎『共産主義車 ソ連編』は、4月2日前後より出荷され、全国書店、Amazonなどの各種通販で販売されるとみられる。オールカラー240ページで2800円+税。詳しい情報は下記リンクも参照のこと。
コメント Facebookコメントが利用できます