作家の酒見賢一が11月7日、呼吸不全のため亡くなった。59歳だった。葬儀は近親者で営んだ。

 1963年福岡県久留米市生まれ。1989年、「後宮小説」で「日本ファンタジーノベル大賞」を受賞してデビュー。同作や「墨攻」が直木賞候補になった。中国史を題材にした作風で活躍した。2000年には『周公旦』で「新田次郎文学賞」を受賞した。

 「後宮小説」は1990年に日本テレビ系アニメ『雲のように風のように』の原作となったり、「墨攻」は1992年から96年にかけて「ビッグコミック」(小学館)で連載された森秀樹作画、久保田千太郎脚本の漫画原作となるなど、幅広い層に支持された。

 あまりに早い訃報に筆者も驚いた。まだまだ多くの作品を残すことができたであろうことが悔やまれる。ご冥福を祈りたい。