『ラスト コーション』がビデオになったので、レンタルショップに借りに行った。これは日本占領下の上海が舞台になっていて、その地でスパイとして活動する女と、男のかけひきの話。まぁラブストーリーです。
私は中国や香港の映画が結構好きなのですが、なぜかというと、食事をするシーンが多いからで、それもお上品な感じではなく、飯を食らうというなにか情熱めいたものをそこに見られるから。前戯としての食事ではなくって、食べているそれ自体がセックスという風。屋台からは湯気が立ち込め、道は残飯で汚れ、煙草と酒の入ったコップを交互に口に運ぶ。アメリカの、フランスの映画にはもちろん全てではないけれど、食事のシーンはどこか乱暴に扱われている気がする。この映画の監督はアン・リーという台湾出身の人だけれど、ハリウッドで映画制作をすることが多かったせいか、上流階級的な小食っぷりです、少し残念だった。
けれど、愛し合う二人のセックスのシーンはなかなか迫力があってよかった。セックスはたいていの人が経験をすることの割りに、小説でも映画でも、描き切るのが難しいらしい。AVはただ撮影しているだけだけれど、どうも見世物といった印象だし、情緒やら高揚感やらを本当は美しくない(私はそう思っている)セックスの中に織り交ぜるのは確かに難しいだろう。美しく描くと偽物に、ありのまま描くと空虚になってしまうセックス描写を、この映画では違和感なく見られるものにしていたと思う。支配的な男と、それに従っているかのような女。嗚呼、私もこんな恋愛をしてみたい!と思うより早く、当日返却のビデオを返しに行く私はパジャマ姿。仕方ない、飯でも食らってやろう。
潮
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七重 ゲスト | 2008-10-05 21:02
これ、前に映画館に見にいきました!
「この映画、、女ひとりで見にいってもよいのだろうか?」と戸惑いながらも。
ええ、それはもう吸い寄せられるように(笑)
見て正解でした。
女スパイの禁断の恋……というのはけっこうステレオタイプな感じがしないでもないけど、
その見せ方がすごくよかったように思います。
賛否両論を巻き起こした(らしい)性描写ですが、痛みと陶酔の狭間のエクスタシーとでもいいましょうか、
私はただもうスクリーンにどっぷり没入してしまいました。
見終わったあとに映画館のトイレに行くと性描写の是非について語り合っている女子三人組に遭遇。
もちろんフムフムと盗み聞き。
もう一回見たくなってきました。
ウィ ゲスト | 2008-10-12 22:39
おフランスより、メールを送っときました。またぼさっとしてる時にでも読んでやってね。
送信する前から破滅してます。
退会したユーザー ゲスト | 2008-10-14 00:33
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