2017年8月に人気を集めた「はめにゅー」の記事をおさらいする「月刊はめにゅー」。忙しくて毎日はチェックできないという人も、この機会に話題の文学ニュースをまとめて確認しておこう。

新着ニュース部門

まずは8月1日~8月31日に更新された新着ニュース部門から見ていきたい。

第10位~第4位

第10位: 富山県・高志の国文学館が「大伴家持文学賞」「高志の国詩歌賞」を創設(8/3)
第9位: 『本の雑誌』2016年11月号で新人賞受賞後の歩留まりをチェック(8/25)
第8位: 死刑執行から20年 永山則夫の手紙が小樽文学館で初公開(8/20)
第7位: 吉原の遊郭関連専門書店「カストリ書房」、より広いスペースへ移転(8/7)
第6位: エブリスタ×文春 短篇対象の「週刊文春 小説大賞」を開催(8/9)
第5位: 第4回新潮ミステリー大賞が発表 初の受賞作なし(8/1)
第4位: 瀧上ルーシー、ヲタクから純文学への旅(8/14)

今月の10~4位は上記のようなラインナップだった。9位は読者からのタレコミをもとに書かれた記事だ。今後もはめにゅー充実のため、読者諸兄からのタレコミをお待ちしている。7位のカストリ書房関連は以前取り上げた際もアクセスが多かったので、熱心に情報を追っている読者が多いのだろう。瀧上ルーシーへのインタビューも4位に入っている。

第3位

ミステリ作家・劉永彪が殺人容疑で逮捕 22年前に4人殺害か(8/23)

まるでフィクションのような、しかしフィクションにしてはお粗末すぎるニュースが3位だった。もしこれが場当たり的な犯行ではなく計画的なものであれば、もっとミステリ作家らしいトリックが活用されたのだろうか。なお、今月のトップ3は非常に高レベルで、こちらもいつもであれば余裕で月間1位になれるアクセス数だった。

第2位

相鉄が「鉄道小説大賞」初開催 30枚以内の短篇・SSを募集 (8/3)

2位は、鉄道会社主催という変わり種の文学賞の話題だ。規定枚数が短く〆切も2ヶ月以上先なので、今から取り組んでも充分間に合うのではないだろうか。相鉄沿線を絡めなければならないという条件のハードルはなかなか高いが、ゆかりのある人はぜひ応募してみよう。

第1位

温又柔が宮本輝による芥川賞選評に憤慨 同調する作家も(8/15)

8月のアクセスランキング1位は、2位以下を圧倒的に引き離してこちらの話題だった。ニュースサイトならではというべきか、活字メディアがなかなか扱わないネット発のニュースへの関心はどうしても高くなるようだ。また、この話題には21世紀の文学が果たすべき役割や文壇の構造、芥川賞というシステムの問題など、現在の文学をとりまくさまざまなトピックが凝縮されていた点も示唆的だ。続報は今のところない。

既報ニュース部門

つづいて、7月までにアップされたニュースのなかで8月にアクセスの多かった記事もチェックしておこう。こちらは上位5本を一気に見ていく。

第5位: 小学生の夏休み読書感想文 どんな本を選んでいる?(16/7/1)
第4位: 第60回群像新人文学賞が発表 21世紀初の当選作なし (4/21)
第3位: 宝島社、「まくら」付き書籍を発売(16/12/3)
第2位: 氷室冴子青春文学賞(仮)が今秋創設へ エブリスタとの連携も (4/8)
第1位: 「絶望名言」が4月よりレギュラー化 ラジオ深夜便の人気コーナー (4/21)

5位には、夏らしいトピックが久々に顔を見せた。今も昔も子供とその親を困らせている読書感想文だけに、興味のある読者は多いのだろう。今後このニュースが夏の風物詩となっていくのかにも注目したい。それに対し上位4本は、すっかりおなじみのメンツである。半年間上位に君臨しつづけている氷室冴子青春文学賞(仮)は、そろそろ動きが見られそうである。続報に期待しよう。

以上、8月にアクセス数の多かった文学ニュースを総ざらいしてみた。果たして9月はどのような文学ニュースが注目を浴びるのだろうか。