7年間の人生の間に多くの詩やお話を残してこの世を去った田中チドリを扱った短編映画が、今月の19日、20日に鳥取県内で先行上映される。

田中チドリ(千鳥、1917~1924)は、生まれてすぐに両親の不仲により実家へ引き取られた。チドリは5歳の頃から詩やお話を創作し始め、当時県内初の女性記者として先進的だった母親の田中古代子やその交際相手である社会活動家の涌島義博に見守られながら、多くの作品を作った。しかし、小学校一年の夏頃から肺病となり、翌年夏に死亡した。母はその死を悼み、「千鳥遺稿」を残した。自然を子どもの目線でありのままに見つめたその内容が評価され、近年「千鳥遺稿」が再刊されている。

「千鳥遺稿」に感銘を受けた映画監督の田中幸夫さんは2015年頃から映画の製作準備に入り、「添加物・合成保存料ゼロ、賞味期限なしの映画を作ろう」を合言葉に撮影を続け、生誕百年の節目に「千鳥百年」の完成にこぎつけた。田中チドリとは何者か、彼女の生きた時代とは、と言った様々な要素が映画には込められているという。この映画で田中チドリの更なる再評価が進む事を期待したい。

「千鳥百年」は全国に先駆け、まず鳥取県内で放映される。19日に琴浦町生涯学習センターで、20日には米子ガイナックスシアター、倉吉交流プラザ、鳥取市総合福祉センターさざんか会館で放映される予定である。詳しくは下記サイトを参照の事。