岩手県立博物館は第68回企画展として「遮光器土偶の世界」を現在開催している。

遮光器土偶は縄文時代後期に多く作られた土偶の一種である。ゴーグルのように誇張された目の表現や、うずのような服飾などが特徴的で、土偶といえばこれをイメージする人も多いかもしれない。縄文時代後期に東北地方で製造が始まったとされ、その後縄文末期から弥生前期までに北海道南部から近畿地方まで広がったとみられる。体の一部が欠損して(あるいはそれが修復された形で)出土することが多いなどの理由から、何かの儀式目的に使われたのではないかと考えられている。

遮光器土偶は全国的な広まりを見せたが、中でも岩手県は全国一の出土数を誇る。企画展「遮光器土偶の世界」では岩手県で出土した土偶を集め展示し、様々な特徴などを紹介しながら遮光器土偶の奥深い世界を伝えている。平らな背中の秘密や多くの土偶にみられる使用感など、多くの遮光器土偶が掘り出された県だからこそ伝えられる遮光器土偶の世界は、縄文ファンにとって興味深いものとなるだろう。また、専門家による各種講演も予定されており、そちらも目が離せない。

企画展「遮光器土偶の世界」は、8月20日(日)まで開催される。詳しい情報は下記サイトを参照のこと。