浜松町から東京モノレールに乗ること十数分。流通センター駅で降りると約半年前と大体似た光景が前に現れた。あんまり破滅的ではない。

人でごった返す第二展示場の一階、D-15に、我々の仰ぐ「破滅派」のロゴは存在した。ただしそこが破滅派と言うわけではない。

 

先日お伝えしたとおり、破滅派は今回も文フリへの参加を目指していたが事情によりサークルとしての参加ではなく委託販売という形になった。破滅派の委託販売を受け入れてくれた偉大なサークルの名は「グローバルエリート」さんである。各自良く覚えておくように。

 

委託先の応援と言う、破滅派にとって破滅的な行為を行うため、午前中は破滅派主宰高橋文樹氏がD-15に居座り、午後からはオダサク評論によりネット中をキュンとさせた九芽英氏が入れ替わって居座り、少し遅れて合流する形で私Juan.Bが到着し、入れ替わり立ち代りグローバルエリートさんの貴重なイスを占有した。

ワイワイガヤガヤと人々が行き交う中、私は昼飯を食べに出かけた。文フリのご飯と言えば……。

 

ターリー屋!

 

タンドリーチキンカツとキーマカレー、600円。

とてもうまい。特に右のチリソースがカギである。これをうまく使うべきである。

 

見本誌やチラシのコーナーも大盛況である。我等が別冊破滅派はどれくらいの人に触れてもらえたのだろうか。掲載されている私のエセーはどれくらいの人の脳幹をキュンとさせられたのだろうか。

 

 

 

昼食を食べ終わった後、私は九芽氏と替わり、D-15で店番を行った。グローバルエリートの方々と話が弾み、色々な機密情報を聞き出した。グローバルエリートで店番をしていた方は台湾で働いているそうで、今回全部売り上げないと台湾へ帰れないと言うスリリングな状況にあったのだ。しかし、そんな不穏さをよそにグローバルエリートの本は非常に売れ行きが良い。

午後3時過ぎ、グローバルエリートの新刊在庫40冊は完売となった。凄まじい人気である。破滅派も良く売れているとはいえ……いや、これは破滅派のおかげである。そうである。そうなのだ。とりあえず泣きながら頼んで、今度は破滅派の本を広めに置かせてもらった。

 

 

ここらへんで九芽氏が暴走し始めた。私の名刺を持って、あちこちのサークルに買い物がてら配り始めたのだ。なんでも女子大の文芸サークルにまで配ったそうだ。天地開闢以来の大騒動である。しかし今のところ俺には何も起きていないので、知らない内に騒動は収縮したようだ。想定される一番良いケースでも、私の名刺はしおり代わりにしか使われて無いと思うが……。

そうこうしている内にも、破滅派の本が売れて喜んだりグローバルエリートからお菓子を恵んでもらい感謝に咽び泣いたりしながら、いよいよ終了の時間が近付いた。

 

さようなら、また半年後まで。ありがとう、グリーバルエリートのみなさん、文学フリマの皆さん。

 

今回私が買った4冊の本も紹介しておこう。

 

「文化と表現 Vol.6」

「文化と表現 Vol.19」

青年文化ゼミ有志

様々な表現文化に関する評論誌である。とくにVol.19では「サークル」を特集しているが、このサークルとは大学や同人のそれに留まっていない。更に広い範疇にも「サークル」はあり、これからも発展するのだろう。巻末には次の20号で10周年と言うコメントがあり、3月に10周年を迎えた破滅派に迫る脅威と認知した。来号も出来たら買うぞ。

 

「宗教とアニメーション3」

かに温泉

私はこれの2を模索社で買ったことがある。統一教会の紙芝居っぽいアニメ、幸福の科学のショタ属性アニメ、創価学会の勝利勝利大勝利な「人間革命」アニメなどが掲載されている。九芽氏と話し合った結果、幸福の科学のショタ属性アニメ「しあわせってなあに」のキャラが良いということになった。それはともかく総裁はいつになったら俺の霊言集を出すのだろうか。

 

「大阪九龍城」

成宮零

廃墟写真集を出しているサークルを見かけ、轢き付けられて購入。1931年築で2006年まで存在した大阪市営下寺住宅、通称「軍艦アパート」が取り壊される直前の写真集である。非常に破滅的な雰囲気で良い。家賃は平成に入っても何と350円だったそうだ。やっと俺も暮らせる家を見つけた。

 

破滅派も、どのサークルも、また次回の文学フリマ東京に期待である。