Amazonは「日販バックオーダー発注」の終了理由について、期待を下回るものだった、つまり欠品になることが多かったと説明している。出版事情に詳しくない読者のために説明しておくと、日販のような「取次」と呼ばれる会社が出版社から本の在庫を集め、そこに発注をかけることで各書店に本を卸すシステムになっている。「バックオーダー」とは、中間の商社にあたる取次に在庫が存在しなくても、出版社に直接問い合わせて再度在庫を確保する仕組みだ。

このニュースでは単にAmazonが使いづらい取次との取引きを見直しただけなのだが、なぜそれをわざわざ出版社に伝えるかというと、直接取引きの増大を狙ってのことだろう。現在のAmazonはその取引額からいって、ほとんど「取次そのもの」といって差し支えない。わざわざ間に商社を入れて利益率を下げず、自分たちでやりたいというのが本音だろう。現在はそのための集荷システム(出版社がAmazonの倉庫に本を送るシステム)を開発中だとも報じられている。

クロネコヤマトの当日お届け便撤退など、Amazonのパートナー企業に大きな動きが出ているが、日本の出版界に大きな変化をもたらす可能性もあるので、今後の動向に注目したいところだ。