鎌倉文学館では、2017年4月22日(土)より夏目漱石の生誕150年記念特別展として『漱石からの手紙 漱石への手紙』展を開催している。本展では漱石の残した小説や評論などについては取り上げず、タイトルのとおり漱石が出した手紙と受け取った手紙だけに特化した展示となっているのが特徴だ。会期は7月9日(日)まで。

文豪・夏目漱石は、膨大な数の手紙を残していることでも知られている。資料として残されているものは2500通を優に超え、 森田草平宛ての手紙では「小生は人に手紙をかく事と人から手身をもらふ事が大すきである」と綴っているほどだ。今回の特別展では、友人や家族、門下生に宛てたプライベートなものを中心に約80点が展示されている。小説家や英文学者としての顔とはまた一味違った、私人としての漱石の素顔に触れられる貴重な機会といえるだろう。

関連イベントも充実しており、中島国彦(早大名誉教授)による講演や文学館職員による資料開設講座、文学散歩などが企画されている。また、鎌倉文学館といえば190種のバラを楽しめるバラ園も人気だが、本展の会期中にちょうどバラ祭りも開催される(5月10日~6月4日)ので、併せて楽しんでみてもよいのではないだろうか。