スペイン語圏の著名な文学賞として知られるアルファグアラ賞の第20回目の受賞作品として、4月5日、レイ・ロリガの「Rendición」(降伏)が選ばれた。今回の審査議長はメキシコの作家エレナ・ポニアトウスカが勤めている。賞金は16万4000ユーロ。

「Rendición」はディストピア世界を扱ったSF小説であり、ジョージ・オーウェルとフアン・ルルフォから影響を受けたストーリーや、結末に至る展開によって評価されている。

作者のレイ・ロリガ(Jorge Loriga Torrenova、1967~)はマドリードで画家の父と声優の母の間に生まれ、1992年に初の小説「Lo Peor de todo」(全部最悪)を出版した。また、映画監督兼脚本家としても活躍しており、1997年には自身の小説「La pistola de mi hermano」(兄弟の銃)を映画化した。彼の作風はビート・ジェネレーションに影響を受けた推進力のある物で、スペイン語圏で多くの支持を受けている。