“マエストロ(巨匠)”マテオ(Maestro Mateo)は、12世紀後半のスペインで活躍した彫刻家である。

彼の前半生については良く知られていないが、幾つかの偉業がそのままの形で残されている。サンティアゴ・デ・コンポステーラ聖堂の彫像が特に有名で、中でも聖堂正門の彫像は「栄光の門( Pórtico de la Gloria)」として知られる。その仕事ぶりは時のレオン王フェルディナンド2世を満足させ、マテオには年金が支給された。彼の謎に満ちた創作活動は現代の人々の想像心を刺激し、スペインの有名な歴史小説家アントニオ・コスタ・ゴメス(Antonio Costa Gómez)もマエストロ・マテオに関する小説を書いた(Mateo, el maestro de Compostela (2010))。

謎に包まれつつも偉業が伝わる、そんなマエストロ・マテオだが、彼の手による彫像を巡る展覧会「Maestro Mateo en el Museo del Prado」(プラド美術館のマエストロ・マテオ)がプラド美術館で開催されている。サンティアゴ・デ・コンポステーラ聖堂での彼の手による彫像などを展示し、12世紀後半のスペインの美術について知る事ができる。スペインに旅行した際は是非訪れてみてはいかがだろうか。

「Maestro Mateo en el Museo del Prado」(プラド美術館のマエストロ・マテオ)は3月26日まで開催される。詳しい情報は下記リンクを参照の事。