hontoは2016年4月にもMARUZEN & JUNKUDOネットストアを統合するなど、関連会社のWebストアを吸収し続けてきたが、今回のリニューアルではその強みを生かし、「現在書店で売れている書籍が表示される」というユニークな新機能が実装された。

今のところ、フィルタリングなどは行っていないようで、同じ書籍も次々に表示される仕様だ。今朝(水曜日の朝)は「少年マガジン」が連続で並んでいるなど、機能として荒削りな面があるのは否めないが、面白い試みではある。たとえば、昼に文教堂でBLを買う人がいるという事実も見ようによっては興味深いだろう。

hontoは大日本印刷とNTTドコモの合弁会社トゥ・ディファクトが運営しているハイブリッド型書店、平たく言えば、「電子書籍ストアと書籍通販ストアが一体になったサービス」だ。出版界大手と通信大手の乗合舟ではあるが、大日本印刷の傘下にはジュンク堂、丸善、文教堂などの大手書店チェーンが多く、その強みを生かしていこうとする姿勢がうかがえる。とはいえ、トップページに掲げられている「電子書籍と紙の本は敵ではなく仲間です」というコピーから、いわゆる「カニバリズム」への多大な配慮が感じられる。

hontoのトップページより。そんなこと読者は気にしていないと思うのだが……

hontoのトップページより。そんなこと読者は気にしていないと思うのだが……

そうした意味において、今回の新機能がほんとうに読者のことを考えているのかどうかは未知数だが、hontoの強みを生かしたユニークな機能には変わりないので、さらなる進化を待ちたい。

なお、前述した「少年マガジン連打」と同じ現象として、月曜になると「少年ジャンプ連打」が発生すると思われるのだが、別の電子書籍の雄であるAmazonにおいても、日産の自動車カタログが無料ランキングの上位を占拠するなどという誰得な事態が発生している。

無料本のトップは「東京防災」と日産車のカタログ

無料本のトップは「東京防災」と日産車のカタログ……

読書好きが洗練された「あなたにオススメ」を目にする日は果たして来るのだろうか。