長編小説「女たち三百人の裏切りの書」で読売新聞社主催の第67回読売文学賞小説賞及び講談社主催の第37回野間文芸新人賞を受賞した古川日出男さん(49)が6月27日、故郷の福島県郡山市に凱旋帰還した。市役所を訪れ、品川萬里市長に読売文学賞受賞を報告し、握手を交わした。

古川さんは、読売文学賞受賞の感想について「受賞した時は驚いたが、自分が取り組んできたことが認められうれしかった」と語った。自身が開いている文学ワークショップ「ただようまなびや 文学の学校」についても触れ、今後の展望について語った。品川市長は古川さんのワークショップの理念に共鳴し、「文学に興味を抱くような魅力あるワークショップとしてほしい」と話している。

受賞作「女たち三百人の裏切りの書」は、紫式部の死後しばらく経った平安時代半ばに紫式部が蘇り源氏物語の本当の最終盤を語りだし、海賊や蝦夷など多くの人々の運命が寄り集まっていく、と言う内容である。