ギャラリーは白い。
壁も床も天井も白く、白々しい光に溢れている。
・・
壁には巨大な少女の肖像が六点、展示されていた。
あなたは、何かに促されるように部屋の中央に立ち、彼女たちを見渡した。
そして、拘束された。
(2018年)
鉛筆は、こう削ります。
あなたの前で白髪混じりの男がおろしたての鉛筆を削る。
・・
あなたたちは、とうとうひとつになって、私はその場から追い出されてしまう。
居場所をなくした私は、たぶん、全てを失ってしまう。
(2018年)
旧友のメガネの奥の少し爬虫類にも似た眼がじとりと僕を睨んだ。
――だから俺はお前のことが大嫌いなんだよ。
・・
どうですか。そんな女の子があの絵の向こう側にいるような気がしませんか。どこかに居そうな女の子でしょ。
(2018年)
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