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ディア・バチュエ 挽混座(著)

未知の生物ハイドラと、彼らに関する研究所。
その部署のひとつ、二人しかいない生態調査部を舞台に
文字通りハイドラの生態を調べる研究員
——七光りで元・引きこもりなコミュ障気味の語り部「五十嵐」と
童顔吊り目、声は大きいが女性らしいところも大いにある上司「酒井」の物語。

  1. 連載中 (最終更新: 2021 年 10 月 8 日 )
  2. 9 作品収録
  3. 20,732文字(400字詰原稿用紙52枚)

Authors & Editors 執筆者一覧

挽混座

挽混座 著者

文章、絵、写真、その他諸々。やりたいことは全部やる。
ここでは気兼ねせずに好きなものを書きたくて来ました。どうぞよしなに。

Works 収録作一覧

  1. 挽混座

    1. #1

    • 小説
    • 1,378文字
    • 2021 年 8 月 22 日公開

     僕の職場は変だ。変、というと語弊があるか。変な生き物と常に一緒だ。ハイ・エルドラド、略してハイドラと呼ばれる未知の生物と共に暮らし、その生態を研究するというのが主な仕事なのだが、その仕事が問題だった。 「五十嵐!」   […]

  2. 挽混座

    2. #2

    • 小説
    • 2,346文字
    • 2021 年 8 月 22 日公開

     この仕事のどこが問題なのか、わかっただろうか。  まず、仕事中常に一緒にいるハイドラは言葉が通じない。たまにハイドラ同士で意思の疎通をしているらしい場面に出くわすことはあるが、基本的にやつらは音を発さない。しかし、そう […]

  3. 挽混座

    3. #3

    • 小説
    • 3,884文字
    • 2021 年 8 月 24 日公開

    「五十嵐!」  酒井さんは僕の名前を呼びながら入室してくることが多い。その度に怒られている錯覚に陥りながら、肩を震わせて振り返る。 「今日は所長が視察に来るそうです」  しかし、基本的に酒井さんは怒らない。ハイドラと接し […]

  4. 挽混座

    4. #4

    • 小説
    • 3,142文字
    • 2021 年 8 月 29 日公開

     月日が流れ、この生態調査部に来て三年になった。それだけの時間が経ったにも関わらずこの部署には二人しかいない上、僕以外の唯一のメンバーである酒井さんは相変わらず年下のような外見で、津山は甘いマスクに磨きがかかり、今日もコ […]

  5. 挽混座

    5. #5

    • 小説
    • 1,333文字
    • 2021 年 9 月 5 日公開

     ハイドラの食事は基本的にない。どういう構造になっているかはわからないが、空気中の何かを摂取して栄養に変えているらしい。もしかしたら、この研究所に連れてこられた時点で薬剤か何かを投与され、食事を必要としない体に改造されて […]

  6. 挽混座

    6. #6

    • 小説
    • 1,821文字
    • 2021 年 9 月 15 日公開

     研究所の職員であることを証明するカードも持っておらず、白衣も着ていない突然現れたその男は誰がどう見ても部外者で、誰かの知り合いかどうかも確かめる術がない。  津山のような女受けの良さそうな顔立ちは年下だろうか、基本的な […]

  7. 挽混座

    7. #7

    • 小説
    • 2,523文字
    • 2021 年 10 月 2 日公開

     付着した薬剤をきれいに洗い流すまで出てくるなと言いつけられた。わからないことだらけだった。男が現れた時のことを一部始終反芻しながら渋々シャワーを浴び、用意されていた新しい制服と白衣に袖を通し、廊下へ出る。いくら考えても […]

  8. 挽混座

    8. #8

    • 小説
    • 861文字
    • 2021 年 10 月 3 日公開

     暴走した僕は父に厳しく叱責された。言い返すこともできぬまま、もう帰れと荷物を持たされ研究所を追い出された。研究所がどういう決断を下すのかわからないほど僕だって馬鹿ではない。恐らく酒井さんを差し出して、平和を保とうとする […]

  9. 挽混座

    9. #9

    • 小説
    • 3,444文字
    • 2021 年 10 月 8 日公開 更新

     翌日、出社した僕を待っていたのは酒井さんではなく津山だった。暇なのかお前、と嫌味の一つも言う隙もなく、やつは手紙らしきものを渡してきた。 「酒井さんからお前にだ」  津山はそれだけ言うと、すぐに部屋を出て行った。  一 […]

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