サド侯爵の謌

湯之元

699文字

――サドこそが革命だったのか、それとも、革命こそがサドだったのか?

ぬしも無き 荒城あれじろに つくり小さき 御園みそのあり。

 

げに赤黒き 薔薇の花 咲きぬ 御園の片隅に。

 

さて魅せられし 若人わこうどら いざ摘み取らんと 腕かいな伸ばせり。

 

たちまちに 噴出ふきだすは 熱き彼らの 血潮かな。 (鋭き棘は 毒持ちて!)

 

 

 

――ああ それこそは 禁断の 「悪」の種子より 育てたる 甘美なる花 名は「革命」。

 

その婀娜花あだばなの 毒四肢に回り 広場に溢るる 「市民」の群れよ! 生き血に飢えし 処刑者どもの 音も無く降る 断頭台ギロチンよ!

 

さても群がる蝿どもよ! かの「お腐乱す」 貴族の血肉 たんと存分 吸い齧かじれ! もはや頭こうべ無き 支配者奴しはいしゃめらの!

 

おお街ゆけば 皆人の 声をそろえて うたう歌 彼の人讃える 血の賛歌 新しき世に 相応しき宴えん

 

 

 

・・・彼の人戻れり 荒城に もはや願うは 御身が為の まこと秘めやかな 快楽けらくのみ。

 

赤々と 燃える月 斜めに照らす 牢獄に 乙女らの 泣き叫び 赦し乞う 声響く。

 

柔肌に 鞭打つたびに 高鳴る胸の 今宵再び 帰り来たらん 古城が主。

 

――その笑まい その立姿 誰もが知れり そは人の子の華 マルキ・ド・サド!

 

 

 

主帰り来たる 古城ふるじろの つくり小さき 血染めの御園。

 

げに赤黒き 薔薇の花 咲きぬ 御園の片隅に。

2014年10月26日公開

© 2014 湯之元

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