クモたちが競って巣を張る生け垣で

島田梟

526文字

このまえ散歩のときに見かけた光景をベースに書きました。だらだら繋げるの楽しいですね。

クモたちが競って巣を張る生け垣で休むモンシロチョウは羽を閉じたり開いたり息をするのとはまた別のリズムで羽の際と際を合わせては自分の感触を楽しんでいるところに無粋な虫が邪魔をしてくるけれどもそれはクモではなく捕まったほうの哀れなハエが挑発のためにかろうじてうごく片方の羽でブンブンいっていたがモンシロチョウは無視を決め込んで自らの快楽に身を委ねる様子が気に食わなかったハエはもげる直前までしつこく続けて自らの不幸と自由な相手への嫉妬を羽で語ればそれは人間の五本指ほどに物を言い飛んでいたあの頃よりも雄弁で同胞の胸は打つだろうがチョウとハエのどうにもならない種という名の壁がたちはだかって何も伝わらずに時は過ぎ去り巣の主であるクモがのそのそ這い出して縄張りを巡回するとそのうちの一匹が身動きの取れぬハエを見つけてアゴを動かして頭からガブリと噛みつきハエは静かになったがその死の匂いを触角で感じ取ったモンシロチョウは羽を水平にして飛び立とうとしたその時にクモが背中にのしかかり触角をむしるとむしられた側はうんともすんとも言わなくなりクモは巣を使わない狩りの喜びに目覚めたのだがそれはどこにでもあるようでただ日本にだけないのどかな捕食のフェイクドキュメンタリー

2021年9月3日公開

© 2021 島田梟

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